2011年1月10日月曜日

Sings For Playboys / Beverly Kenney


Beverlyは私の好きなボーカリストの一人であります。無垢なボーカルで日本では根強い人気がありますが、本国、米国では忘れられた存在のようです。そう言った意味ではAstrud Gilbertoに附合するところもあります。ジャズにこだわった人だったようですが、その生涯は悲運なもの様ですが、そうして美しいうちに亡くなりこともファンに強く支持される要因であるようにも思われます。この歌唱法であればボッサやポップスでも良い作品が作れたように思うと残念でもあります。ボッサであればAstrud、ポップスであればジャズ・シンガーであったRobin Wardのイメージです。

Wikipediaによると本作は4作目のアルバムだそうです。次作"Born to be blue"が代表作と言われている様ですが、そちらはゴージャスなオーケストラをバックにしているのに対して本作はスモール・コンボをバックにして親しみやすい音になっていると思います。Beverlyの可憐さが引立つサウンドと思います。"Mama, Do I Gotta?"とか歌っても違和感が無く可愛く聴こえるのが他の歌手には無いところであります。

ここ数年、日本では未発表音源が数枚シリースされていますが、いずれも素晴らしい内容です。"Snuggled On Your Shoulder"はスモール・コンボによる作品で、"tea for two"、"The surrey with th fringe on top"といったハマリ過ぎるくらいの選曲が素晴らしいですし、"Lonely And Blue"はオーケストラによる作品で、1曲目の"Lonely and blue"から朗らかで最高に軽快な演奏が楽しめます。"Snuggled On Your Shoulder"の5曲目、歌い上げる部分を歌い直すのところが良いです。そう言う芸風ではないので上手く歌えなくて良いのです。

Beverly Kenney



ロックが嫌いで迎合することがなかった彼女の少しキレたような歌いぶりが楽しいです。Carlos Lyraの"Influencia do jazz"的な意味で気持ちの良い曲です。

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