2010年11月1日月曜日

Prato e Faca / Cristina Buarque


サンバの魂を今に伝えるCristinaのセカンドアルバムにして、ルーツ・サンバのアルバム屈指の傑作であります。"Prato e Faca"はヘコヘコの様に演奏するお皿とフォークのことであります。映画"Saravah"でJoão da Bianaが演奏しているアレです。Geraldo Pereira作のM5など、その後の作品に通じるCristvão Bastosっぽいアレンジの曲もありますが、Velha Guarda da Portela直系のサウダージ120%の名曲の数々、特にManacéaやMijinhaの曲がしっかり取り上げられています。ファーストのManacéaの代表曲のひとつ"Quantas Lagrimas"に続き、本作ではMijinhaの"Chaga de Padecer"が収録されています。Marisa Monteも取り上げている"Esta Melodia"も最後に収録されています。

Cristinaは私の最も好きな歌手ですのでどのアルバムも重要なのですが、特に本作と、Ariolaでの"Cristina"(兄、Chicoの名曲"Meu Guri"で始まる1981年作)と、比較的最近のWilson Batista集"Ganha-Se Pouco Mas É Divertido"の3作はいずれも名作であります。その中で本作は最もルーツ・サンバ的な味わいの強いアルバムです。"Cristina"はRafaelやCristãoなどRabelloファミリーのルーツ的でありながら洗練された音作りが光る作品、Wilson Batista集はMauricioらAcari的なショーロ風の美しい仕上がりの作品と、3作とも風味の異なる作品であります。それから、田中勝則さん製作の"Resgate"も渋いですが深いアルバムです。

Marisa Monteが出ている映画"O Mistéiro do Samba"には何故かCristinaが出てきません。Marisa MonteがManacéaのカセットを見つける下りは感動的でありますが、Cristinaが同じことを随分と前にやっていることなのでそれには触れたくなかったのかもしれません。

Cristina Buarque


Carlinhos Velgueirosとのデュオのビデオ。1977年の放送ということなので、"Prato e Faca"がリリースされた次の年に放送されたものです。



MiuchaやChicoら兄弟たちが一緒に歌っている貴重なビデオもありました。少し早いですが、Baden & Viniciusのクリスマスソングの様です。



Velha Guarda da Portelaとのホーダ・ジ・サンバのビデオ。曲は、Ariola盤の"Cristina"にも収録されているMonarco作の"Vida de Rainha"。

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