2010年11月30日火曜日

愛の秘密 / 寺尾紗穂


荒井由美の"ひこうき雲"の再来のような愛すべきアルバム。サウンドもティンパンアレイ的、楽曲も素晴らしいものです。寺尾さんの歌も真摯で心に響きます。タワレコでのこのアルバムのレコ発を見させて頂いたのですが少し猫背でピアノを弾きながら、あまり器用そうでない素朴な歌う風情にも感銘を受けました。今後も地味にがんばって欲しいです。

寺尾紗穂


本当に良いのでぜひ聴いてみてください。



毎週プリキュア~題名を見ている私には日曜日の声でもあります。

2010年11月28日日曜日

Caldeira / Valérie Leulliot


Autour De Lucieのボーカリストのソロアルバム。アコースティック・ギターやピアノをベースに微妙なエレクトリックを配した何気ないアレンジが新鮮であります。Autour De Lucieのアルバムよりメロディが際立った感じもします。近年購入したフレンチ・ポップの中でも屈指の一枚。

Valérie Leulliot



2010年11月25日木曜日

It mght as well be spring / Sylvia Telles


Sylviaの歌は、Nara LeãoやAstrud Gilbertoなどのような線の細い日本人のボサノバのステレオタイプ的な歌ではありませんが、非常に感じの良い歌を歌う人であります。ある意味ボサノバのスピリットを強く感じる人でありまが、本作はSylviaの最高傑作ではないかと思っています。アメリカ録音で、アメリカKappレーベルに遺された2作のうちの一作ですが、ブラジルではElencoからリリースされていました。アメリカ盤ではMarcos Valle作品の"The face I love"がアルバムタイトルとなっていましたが、ブラジル盤では同名タイトルのものと上掲のものとがあるようです。Elenco盤の"The face I love"のアートワークは最近のBlanco y Negroからリリースされているベスト盤"The voice I love"に使われているものと同じだと思います。上掲のアルバムとアメリカ盤では同じ曲目が収録されていますが、曲順が異なります。私は断然ブラジル盤の曲順の方が良いと思います。タイトルとアートワークもこちらが気に入っています。タイトル曲の他、"Pardon my English"や"Baubles, Bangles and Beads"など、アートワークのイメージ通りとてもキュートです。

Sylvia Telles



Sylviaの娘、Claudiaの歌です。Dindiは母のニックネーム、Elencoレーベルのオーナーでありプロデューサであった夫のAloysio de Oliveiraが作詞、Jobimが作曲した作品です。

2010年11月23日火曜日

Nos Horizontes do Mundo / Leila Pinheiro


私がブラジル音楽に入り始めたころ"Alma"というボレロっぽい曲から始まるアルバムが出た頃で、比較的最近まで私的に普通の歌手とい位置づけでしたが、MenescalとのアルバムやVelha Guarda de Mangueiraのビデオなどのピアノ弾語りを見てこの人のミュージシャンシップが判って来たような気がします。それから"Isso e Bossa Nova"や"Coiscas do Brasil"などのアルバムの良さが判ってきました。それらのアルバムはかなり派手な選曲のアルバムですが、本アルバムは、タイトル曲のPaulinho作品も含めアルバム全般が渋いけれど味わい深いアルバムであります。

Leila Pinheiro




Gudinの名曲"Verde"のピアノ弾語りのです。

2010年11月22日月曜日

Maria Rita / Maria Rita


まさにElisの生き写しという感じの歌いぶりが感動的です。バンドもCésar Camargo Marianoのバンドの生き写しの様でもあります。Tiago Costaのピアノが光っています。

Maria Rita


このファースト・アルバムからのビデオです。ElisのDNAを感じる素晴らしいパフォーマンスです。




昨日のXangosのライブで、中西さんと尾花さんがギターデュオで演奏していたCesar Camargo Marianoの曲です。ギタリストHélio Delmiroのデュオによる名作"Samambaia"のラストには娘の名を冠した美しいスロー・ワルツが収録されています。


2010年11月20日土曜日

Charlotte For Ever / Charlotte Gainsbourg


最近、BeckとのアルバムをリリースしたClarlotteのファースト・アルバム。Serge Gainsbourgの趣味のアルバムなのでしょう。娘にこんなのをやらせるって思考がエライと言えるでしょう。雰囲気先行のものが多いフレンチ・ポップ中でも最も過激な作品です。

Charlotte Gainsbourg




"Lolita go home" Jane Birkinとのデュエット。ショートも似合いますね。母のノーメイクな感じも良いのではないでしょうか。



最近は、こんな感じなんですね。バンドもファッショナブルです。

2010年11月19日金曜日

BEST / 山根麻衣


日本のAORとして聴いていました。1980年代くらいのことでした。"Sorry"というアルバムを良く聴いていました。山下達郎さんの"Ride on time"の頃でした。私としては珍しい歌い上げタイプの人です。ハスキーな感じも意外と好きです。鈴木茂さん他、サウンドもかっこ良いです。

山根麻衣


アニメ系ミュージシャンの菅野よう子さんのバンドでシャウトしてる画です。

2010年11月18日木曜日

元気です。 / よしだたくろう


ヒット曲"旅の宿"を含む1972年のアルバム。ブルーグラスやルーツロックなどのアメリカ音楽を経験してからこのアルバムを聴くと、アメリカ音楽と和なテイストが絶妙にブレンドされた傑作だと思います。アメリカ音楽の融合という点では、高田渡さんの諸作も同様ですが、本作の和洋折衷の妙は特別な感じがします。

吉田拓郎




Dylanのようにテレキャスを提げたステージです。

2010年11月15日月曜日

Simone / Simone


Simoneソロ・デビュー作。サンバ・ファンには、União da Ilhaのサンバエンヘード"O amanhã"などサンバ歌手としても知られています。バイーア出身ということですが、初期はミナス寄りの音楽をやっていました。本作もLôの"Todo que você podia ser"やJoyceの"Encontro marcado"などが収録されております。独特の暗さのある歌がミナス風のサウンドにはまっています。所有している他のCDでも"Gotas D'Água"などミナス音楽のアルバムの中でも屈指の作品と思います。MiltonのCigarraは代表的な作品のようです。少し前に発売されたボックスセットには"O canto da cigarra"というタイトルがつけられていました。

Simone


SimoneのPVとMilton&Simoneのデュエットのビデオ。



藤沢のホーダ・ジ・ショーロなどでご一緒させていただいている7弦の尾花さんが参加しているバンドXangosのビデオ。少し前の映像ですがYouTubeにある中では一番音が良いものをリンクしました。私のお気に入りのバンドです。中西さんのワウペダルのエレキもキレてるし、前川さんの歌の何か降臨してきてるような感じが最高です。次の日曜日、渋谷Barquinhoのライブは観に行く予定です。本家以上にインパクトがあるように思います。

2010年11月14日日曜日

ROMANTIQUE / 大貫妙子


大貫妙子さんの4作目、RCAからのアルバムとしては2作目のアルバムです。Sugar Babeを踏襲したアメリカ音楽路線から転換する兆しの見える作品。ボサノバっぽいM5とか一部サンバっぽいM7など、後のフランス風路線に繋がるテーマや作風が見られます。アレンジは坂本龍一さんと加藤和彦さんとが約半分づつ、M1の教授のテクノアレンジ以外は、普通な感じです。Sugar Babe時代のセルフカバー"蜃気楼の街"は、ボッサ風のアレンジも中々良いし、大貫さんの歌もボッサ的かつフレンチポップ的で最高にハマっています。

Taeko Onuki


私的にはこの時期の大貫さんのアルバムの中では一番好きな"Cliche"からの作品。矢野顕子さんと槇原敬之さんとのコラボ。ミュージック・フェアの映像のようです。



アルバム"Mignonne"収録の名曲"横画"の演奏。再び矢野顕子さんのピアノをバックにしたものです。



Sugar Babeの傑作ポップチューンをバラード風にした演奏。同じく矢野顕子さんのピアノをバックにしたものです。

2010年11月11日木曜日

Tant De Belles Choses / Françoise Hardy


フランスの歌手というと、Jane BirkinやLioなど、歳を取ってから、若い頃と違った味わい深い作品を発表する人が多くいますが、本作はそんな好例のひとつ、Françoise Hardyの2004年の作品です。1960年代にフレンチポップのステレオタイプとも言えるアンニュイなイメージを確立した方ですが、2000年台になってから復活。サウンドは今風のオルタナ・フォーク風のサウンドですが、年齢を重ねた枯れた歌唱から長い年月の物語を感じさせるような気がします。

Françoise Hardy


初期の代表作、"Comment Te Dire Adieu(邦題:さよならを教えて)"のビデオ。改めて聴くと、管楽器の使い方などアレンジも秀逸です。



本アルバムのタイトル曲のビデオ。良い雰囲気であります。

2010年11月10日水曜日

Who is this bitch, anyway? / Marlena Shaw


Marlena Shawさんの代表作と言われているアルバム。ソウルともジャズともジャンル分けの難しい歌手ですが、本作は最強のソウルアルバムであります。そのものが音楽的でもある長い会話から曲につながって行くカッコ良い出だしから黒っぽさ120%の歌唱が圧巻です。サウンドのグルーヴィーかつスタイリッシュで最高です。特にLarry Nashという人のフェンダー・ローズを中心とするキーボード・ワークは最高です。"Feel like making love"の抑え気味ながら徐々にホットになって行く感じなんて何度聴いても感極まります。

Marlena Shaw


2010年11月9日火曜日

Libby Titus / Libby Titus


Steely DanのDonald Fagenの奥方でもあるアメリカのSSW、多くの人にカバーされているワルツの名曲"Love has no pride"の共作者でもある、Libby Titusの唯一のソロ・アルバム。数年前までこの人もそのアルバムのことも知らなかったのですが、仕事関係の知人に勧めていた頂き知った次第ですが、アメリカのポップ史上重要なアルバムの一枚のようです。数年前に紙ジャケットで復刻されるまで、CDは入手しにくいものでした。"Love has no pride"他にも美しいメロディーを持つ曲が多数収録されており、Libbyの歌も、適度に情感があり重すぎず軽すぎず余裕があり非常に良い感じです。プロデューサーもPaul Simon、Carly Simon、Robbie Robertson、Phil Ramoneと超豪華、サウンドも70年代のアメリカのフォーク/ポップ/ロックの王道的サウンドです。Libbyの歌は、このソロ・アルバム以外にもSesami Streetのトリビュート・アルバムや、Bacharachのサントラなどで僅かに聴くことが出来ます。

Love Has No Pride - Don't Cry NowLove Has No Pride - Never Letting Go

2010年11月8日月曜日

Marina De La Riva / Marina De La Riva


キューバ系ブラジル人という最高の血統を持つ若手女性歌手の2~3年前の作品。音楽的にもキューバ音楽とブラジル音楽が、そのどちらか寄りだったり、適度にブレンドされていたりとレンジの広さというか懐の深さが伺えます。私的には、アルバムのM2のダンソンにやられました。この1曲だけでも十分価値のあるアルバムだと思います。個人的な趣味ですが、この曲ができるのであれば、ダンソンとかチャランゴだけとかっていう懐古趣味なのも良いかと思ったりします。Gloria Estefan位でないとそういう極端な企画は成立しないかもしれませんが。今後の作品にも期待したいです。

Marina de la Riva


ビデオはあまり質の良いものがありませんでしたが、いくつかリンクしておきます。まずは、ソンっぽい感じの曲、



それから、キューバの子守唄、Francesca Ancarolaさんというチリ人の歌手がCarlos Aguireのピアノをバックに歌う子守唄集にも収録されている曲です。YouTubeで見つけたビデオの中では一番の出来です。



それから、Dona Ivone Laraの超定番サンバ。あまりに定番すぎて少しキャリアのある人は恥ずかしい気がするくらいの曲ですが、アルバムでは中々のアレンジで納得できる感じになっています。



Carmen Mirandaのレパートリー。アルバムではカバキーニョによるトレス風のソロが入ったりしてお洒落です。

2010年11月7日日曜日

Amélia Rabello / Amélia Rabello


夭折した天才7弦奏者Rafael Rabelloの姉、Améliaのソロアルバム。カバキーニョ奏者のLucianaの姉でもあります。Ivan LinsのVelasレーベルからリリースされた最初のアルバムだったと思います。邦題"夢見る街角"といタイトルで国内盤もリリースされていました。Velasレーベルと言うとFátima Guedes、Rosa Passos、Guingaなどの印象深い佳作、名作が多数ありますが、本作も第一弾アルバムに相応しい素晴らしい作品であります。Améliaは確かCristovão Bastosの奥様でもあります。ということでPaulinho da Viola直系の美しいサウンドに仕上がっています。邦題にもなったM1"Ruas Que Sonhei"などPaulinho作品も収録されています。数年前には、Acariレーベルから、Rafaelとの宅録を集めたアルバムもリリースされたりもしましたが、そちらも素晴らしい作品です。

Amelia Rabelo


Paulinhoのドキュメンタリー映画からの映像だと思いますが、M1の"Ruas que sonhei"のPaulinhoらとの演奏の映像です。数年前に惜しくも亡くなったPaulinhoの父、Época de Ouroの6弦奏者César Fariaも写っています。



Rafaelと演奏もリンクします。曲はRafaelの"Sete cordas"です。

2010年11月6日土曜日

Pedro Aznar / Pedro Aznar


アルゼンチンの美声ボーカリストにしてマルチ楽器奏者である天才のファースト・ソロ・アルバム。ブリティッシュ・ジャズ・ロックやプログレ的ナM1や、フォルクローレ的メロディー・ラインのM2、ポップロック的なM3,等々汎世界的な才能を前回にした作品です。マルチ楽器奏者ではありますが、やはりベースの演奏は半端なく凄いものがあります。

Pedro Aznar


Pat Metheny Groupでの演奏です。アルバム"Letter from home"のメンバーの演奏ですのでパーカッションはArmando Marçalです。一瞬しか映りませんが。

2010年11月4日木曜日

Extreme Beauty / 吉田美奈子


吉田美奈子さんの1995年のアルバム。クリスマス限定盤の"Belles"を境にそれまでのファンキー路線からゴスペル的な重厚さを持った独自の路線に転換した後の3作目。前作の"Gazer"よりダークさが薄れて若干ポップになった感じがしますが、重厚な音世界は圧倒的です。それにしても吉田美奈子さんの歌唱力は圧倒的です。後半になるにつれて聴いているうちに敬虔な気持ちになったりします。

吉田美奈子


本作収録の"Liberty"と"星の海"の動画をリンクします。


2010年11月3日水曜日

Cat Trick / Lauren Wood


ネコ目にコラージュされたポートレートが印象的なアートワークの本作は、女性SSWのLauren WoodのAOR期の作品です。Michael McDonald風のM1から、Michael McDonald風のRobbie Dupreeのコーラスの入るM3、等々捨て曲なしの充実作ですが、なんと言っても映画"Pretty woman"のサウンドトラックとして有名な"Fallen"が収録されています。Lauren Woodのボーカルも女性版Michael McDonaldともいえるハスキーかつソールフルなボーカルもイケ手いますし、自身もキーボード奏者であるためにフェーンダー・ローズを多用したキーボード・ワークも秀逸です。

Lauren Wood


Jeanie Cunninghamという人のテレビ番組に出演した映像です。"Fallen"はベアーズヴィル・レーベルの名作Nicole Willsの"Tell me"やNicolette Larsonのセカンド・アルバムなどでカバーされています。

2010年11月1日月曜日

Prato e Faca / Cristina Buarque


サンバの魂を今に伝えるCristinaのセカンドアルバムにして、ルーツ・サンバのアルバム屈指の傑作であります。"Prato e Faca"はヘコヘコの様に演奏するお皿とフォークのことであります。映画"Saravah"でJoão da Bianaが演奏しているアレです。Geraldo Pereira作のM5など、その後の作品に通じるCristvão Bastosっぽいアレンジの曲もありますが、Velha Guarda da Portela直系のサウダージ120%の名曲の数々、特にManacéaやMijinhaの曲がしっかり取り上げられています。ファーストのManacéaの代表曲のひとつ"Quantas Lagrimas"に続き、本作ではMijinhaの"Chaga de Padecer"が収録されています。Marisa Monteも取り上げている"Esta Melodia"も最後に収録されています。

Cristinaは私の最も好きな歌手ですのでどのアルバムも重要なのですが、特に本作と、Ariolaでの"Cristina"(兄、Chicoの名曲"Meu Guri"で始まる1981年作)と、比較的最近のWilson Batista集"Ganha-Se Pouco Mas É Divertido"の3作はいずれも名作であります。その中で本作は最もルーツ・サンバ的な味わいの強いアルバムです。"Cristina"はRafaelやCristãoなどRabelloファミリーのルーツ的でありながら洗練された音作りが光る作品、Wilson Batista集はMauricioらAcari的なショーロ風の美しい仕上がりの作品と、3作とも風味の異なる作品であります。それから、田中勝則さん製作の"Resgate"も渋いですが深いアルバムです。

Marisa Monteが出ている映画"O Mistéiro do Samba"には何故かCristinaが出てきません。Marisa MonteがManacéaのカセットを見つける下りは感動的でありますが、Cristinaが同じことを随分と前にやっていることなのでそれには触れたくなかったのかもしれません。

Cristina Buarque


Carlinhos Velgueirosとのデュオのビデオ。1977年の放送ということなので、"Prato e Faca"がリリースされた次の年に放送されたものです。



MiuchaやChicoら兄弟たちが一緒に歌っている貴重なビデオもありました。少し早いですが、Baden & Viniciusのクリスマスソングの様です。



Velha Guarda da Portelaとのホーダ・ジ・サンバのビデオ。曲は、Ariola盤の"Cristina"にも収録されているMonarco作の"Vida de Rainha"。