2010年5月29日土曜日

Traditional Irish Music From County Clare / Eamonn Cotter


クレア(アイルランド西部の地方、有名なモハーの断崖がある)のケーリー・バンド(セットダンスの音楽を演奏するバンドです)Shaskeenのフルート奏者のソロ・アルバム。曲によって同じくShaskeenのメンバーGeraldin Cotterのピアノ伴奏が加わるだけですが、シンプルで美しい音楽であります。
前のポストのJoe Burkeもそうですが、日本人のフルート奏者、守安さんの著作の受け売りであります。それらの本からクレア音楽を知って、サマースクールのコンサティーナ・クラスにまで行くことになったのでした。クレアの音楽はどこか素朴で人懐こい感じがします。ダンス・バンド・スタイルの演奏もどこか田舎っぽい感じが味だったりします。特にピアノのピックアップなんて何の飾りも無いところが潔い気がします。


Geraldin Cotterがピアノ、フィドルのMeaveという方はエニスのコンサートで見たと思います。たしかGeraldinのライブだったように思います。中々切れのある演奏をする人です。

2010年5月24日月曜日

The Tailor's Choice / Joe Burke


南ゴールウェイのアコーデオン奏者として著名な方ですが、これまた著名なハープ奏者Máire Ní Chathasaighのとのフルートの演奏が主体の作品です。広がる平原に吹き抜ける風のようなイメージの音楽であります。Willy Clancy Summer Schoolで見たC#/D アコーデオン弾きのJackie Dalyとの掛け合い漫才のようなリサイタルは最高でした。

Joe Burke


上述のCDが1983年の作品なので、それより6年程前の映像です。

2010年5月21日金曜日

Raio De Sol / Rebecca Kleinmann


LAなどで活動しているフルート奏者のようです。Ginga作品が2曲続いたり、JobimのLuizaの後にMilesのNardisが続いたり、Fulauta d’amoreが使われていたり、フラメンコがあったりと一筋縄ではいかない幅広い音楽性のある人です。どのスタイルもかなりカッコ良いのです。Luizaでのボーカルも美しく、ボーカルももっと聴きたいとも思います。

Rebecca  Kleinmann

2010年5月19日水曜日

Refined・・ / 城戸夕果


城戸夕果さんのアルバムは、本作の他にも他にもFiló Machadoをフィーチャーしたものと、Choro Clubとのアルバムを持っているのですが、アルバム毎の個性があって本作は1992年コペンハーゲン録音で、ギター、ベース、パーカッションのに城戸さんのフルートという編成の北欧ジャズ的な作品であります。欧州ジャズはジャズ・ボッサの影響下にあるので、そのような風味の曲も含まれております。私の好みとしてはパーカッションが控えめで、普通にドラムスを演奏している曲の方が良い感じがします。3曲目などかなり良い感じだと思います。"Loving you"や"You’ve got a friend"などのポップスカバーも中々です。ベースのNiels Pedersenとの他の作品がiTuneストアにありました。

城戸夕果


動画ではないのですが、非常に良い演奏なのでリンクします。JoyceのFemininaです。

2010年5月16日日曜日

Billy Taylor with four flutes / Billy Taylor


Billy Taylor(Pf)がHerbie Mannをはじめとする4人のフルート奏者を従えてのコンボによる1959年、Riversideレーベルからの作品。Billy Taylorのパーソナリティかハッピーなアルバムであります。Rollinsの"St. Thomas"なんて最高です。コンガを入れたラテン・フレーバーも良い感じです。

Billy Taylor


John Lewisとのピアノ・デュオ。Billy Taylorは巨匠との演奏で嬉しそう。



Barney Kesselの演奏による"St. Thomas"です。Barney Kesselのと言えばSylvia Tellesの"U.S.A."のギタリストです。Barney KesselのRiverside版もフルートが冴える名盤であります。

2010年5月15日土曜日

Alvaro Carrilho / Alvaro Carrilho


メストリMauricio CarrilhoのAcariレーベルの記念すべき規格番号1番は、Mauricioの父親のアルバムです。ブラジルを代表するフルート奏者Altamiro Carrilhoのお兄さんにも当たります。といってもこの作品がファースト・アルバムであり、アマチュア・ミュージシャンのアルバムということになります。曲は全曲オリジナル、バックアップはLuciana Rabello、Pedro Amorim、Jorginhoなど、Acari関係のミュージシャンを始め、Altamiro Carrinho、Joel Nascimento、Paulo Sérgio Santos、João Lyraなど超一流です。楽曲も50年くらいの長い年月の間に書き溜められただけり、熟成された良い曲ばかりです。フルートの演奏もショーロの慣用フレーズが駆使された素晴らしいものです。ヴィオラン・テノール、クラリネット、バンドリンなどその他のソリストの演奏、フルートのアンサンブルなどバランス良く配されております。また、Pedro Amorinがパンデイロでクレジットされているようにどこか手作り感覚の気の置けないホノボノとした雰囲気が感じられます。



本人の演奏ビデオは見つかりませんでしたが、作品は親しまれているようです。


2010年5月13日木曜日

É Meu Verão / 石井幸枝


SPiCK & SPANの吉田和雄さんらのプロデュースによるアルバム。SPiCK & SPANっぽい軽快なジャズボッサのアルバムです。ブレッキのキメや、ボッサ・トリオとしても十分すごいリズム対や、ピアノ~ヴィオランのソロの受け渡しなどの1曲目をはじめとして、本場顔負けのカッコ良い演奏ばかりであります。ショーロ曲もアコーディオンやバイリンのハモリとのハモリや、ピアノの刻みなどセンス良いです。失礼ながら飲み会やライブの客同士でご一緒したことはあるのですが、演奏を拝見したことはないのです。一度ライブに伺いたいと思っております。

Chico & EduのBeatriz、尾花さんとのデュオです。



Jacobのショーロを寺前さん、阿部さんたちと演奏したものです。

2010年5月12日水曜日

Naomi vai pro Rio / 熊本尚美


ショーロ業界の重鎮Mauricio Carrilhoさんの主催するAcariレーベルからのメイド・イン・ブラジルなアルバム。オリジナル曲ばかりですが、とても良い作品です。というのは、あまりテクニカルだったり難しい感じにならずに、聴きやすく気軽に楽しめる作品なのです。フルートのパートだけでなく、その他の楽器のパートも良いも特筆です。特にProvetaのクラリネットが沢山聴けるのもポイントです。Eduardo Nevesのわざとらしくジャズっぽいサックスや、Pedronhoのヴィオラン・テノールなど他にも随所に聴き所多数なのです。



凱旋公演の演奏です。7弦がMauricio、カバッコがLuciana、バンドリンがPedrinho、パンデイロがCelsinhoという編成です。このグループによるCDもAcariから発売されていました。

2010年5月9日日曜日

Strive For Higher Realities / Pedro Eustache


かなり前にお勧めラテン・ジャズとして挙げられていたので購入した様に記憶しています。ヴェネスエラのフルート/サックス奏者。あまりにフュージョンっぽい曲もあるのですが、バスクラで始まる4曲目とかかなりイケてる曲もあったりします。タイトル曲のクレオールっぽい歌が入った曲は良いですね。

Pedro Eustache


日本人のヴァイオリニストとの演奏です。だいぶ外見が変わってしまってますが、

2010年5月8日土曜日

Simply Bossa / Adriana Rios


アルゼンチンの歌手ですが、フルートも演奏する方の軽快で聴きやすいジャズ・ボッサ作品です。フルートの味付けが聴いているし、歌も良い感じだし、バックの演奏も充実しているしで良くあるジャズ・ボッサのCDの中ではかなり高水準の作品だと思います。フルート・アンサンブルをバックにした"Corcovado"など適度な変化もあって良いです。

Adriana R?os

アルゼンチン屈指ボッサ系ミュージシャンAgustin Pereyra LucenaとのFalsa Biana(Geraldo Pereira作)です。爽やかで良いっす。


CDの1曲目に収録されている、Lucenaらとの共作のオリジナルです。ベースとタンボリンも女子でしょうか。ジャズっぽいモードとボッサ風のイディオムが上手くブレンドされた中々鋭い曲だと思います。

2010年5月6日木曜日

And The Cuban Piano Masters / Jane Bunnett


このCDはかなり前から棚にしまってあったもので、カナダ人のソプラノサックス/フルート奏者の作品です。José Maria Vitier、Frank Emilo Flynnという2人のキューバ人ピアニストとの演奏が収められています(ピアノのみの曲もあり)。やはりキューバ音楽との相性という意味ではフルートの方が良さそうな感じです。カバー写真はソプラノですが、フルートの演奏の方が印象的です。ラテン・ジャズというよりはソンなどのキューバ音楽寄りです。Son de la Lomaなどの定番曲も切れ良くお洒落に仕上がって良い感じであります。

Jane Bunnett


こちらはHilario Duranという上述のCDとは別のピアニストとの演奏ですが、これまた素晴らしいのです。どちらかと言うとジャズ寄りな感じでしょうか、

2010年5月5日水曜日

Portraits In Silver / Ali Ryerson


比較的最近購入したCDで、ジャズフルート奏者の作品です。JobimやWeber Drummondの作品が含まれているのでブラジル音楽に関心のある人のようです。タイトルは、Jobimの"Retorato em branco e preto(白と黒のポートレート)"からとられたものと思われます。Chick CoreaのWindowsなどジャズ業界人の作品もブラジル的なフィーリングが感じられます。わざとらしさが全く無く、完全にボッサを吸収しているようにも感じます。フルートならではの滑らかで軽やかなサウンドで統一された素晴らしい作品であります。

Ali Ryerson


2010年5月4日火曜日

Bebeto / Bebeto Castilho


Tamba Trioのベース/フルート奏者の’70年代に発表されたソロ作品。Biscoito Finoからリリースされた2006年の2作目の傑作よりも、かなり素朴な作品であります。なんと言っても謙虚な佇まいと、ブラジルらしい朴訥な歌とフルートの演奏に癒されます。たぶんLaércio de Freitasと思われるエレピも心地良いです。ラスト2曲の緩さなんて最高です。その前にPixinguinhaのショーロ("Voltei Ao Meu Lugar"とクレジットされていますが通常"Naquele Tempo"と呼ばれている曲ですが)のローズピアノとフルートという組み合わせもお洒落です。何故か、BebetoとLaércio の2人って外見が妙に似ている気がするのですが...

Bebeto - Bebeto


2010年5月3日月曜日

Punctured / Garry Shannon


Mary Shannonのお兄さん、サウスポーのフルート奏者の2作目のソロ作品だと思います。1作目はSharonも参加した作品で、とにかく走りまくる演奏が痛快な作品でした。本作はフルート2本の曲とか厚みと変化に富んだ佳作であります。余裕タップリの演奏が心地よいのでした。

下のビデオは、4分半くらいからアコーディオンのSharonとバンジョーのMaryの2人の妹を従えての演奏です。やっぱり走りまくってます。前半はKilfenota Ceili Bandとの演奏です。画像からは判別できないのですがコンサティーナは日本で開催されたワークショップで教えていただいたことのあるTim Collinssさんだと思います。

2010年5月1日土曜日

... Idea / Gino Marinacci


イタリア・ジャズの至宝であります。ジャズ・ボッサを完全に昇華した軽快さと、イタリアン・メイドのお洒落で粋なアルバムです。Gino MarinacciのフルートとDino Pianaのトローンボーンのフロント陣のリラックスしながらも絶妙のアンサンブルに加え、ピアノ、ギター、ドラムもボッサ風のタッチを完全に消化されて自然に表現されております。ディレイとオルガンを使ったアシッドな曲まで、前編に渡りこれこそクールと呼ぶに相応しいのではと思います。

ここ数年の間にイタリア・ジャズに出会って、そのボッサ的な側面が、私的な音楽地図のミッシング・リンクを埋める鍵でありました。それによって、日米欧のポップス、ロック、ジャズ、フォークとブラジル、ラテンのポップス、ロック、ジャズが連続的に聴けるようになったような気がします。

iTunesストアにもAmazonにもこれしか載っていませんでした。

Gianni Ferrio & Gino Marinacci


で、この"Oh Happy Day"(Cesar Camargo MarianoのSom Trêsもカバーしているのであながち場違いな曲でもないのです)でフルートを吹いている人がGino Marinacciさんらしいです。