2011年10月31日月曜日

Solo Piano / Chucho Valdés


Irakereのキーボード奏者であったChuchoのソロ・ピアノ集です。Irakere自体、以前は、何故シンセを使うのか理解不能でしたが、最近ではそれもワイルドで良いかという気がするようになったのであります。本アルバムでは、Chuchoの巨体を利した豪快で饒舌な演奏が満載です。父Beboとの連弾が収録されている再会アルバムもどこか仄々とした感じがあって良いです。

Chucho Valdés


そのChuchoのソロ・ピアノの演奏。緩急があって良い演奏です。



Bebo & Chuchoの連弾。出だしは少し硬い感じですが、徐々に暖まってくる感じです。

2011年10月29日土曜日

3000 Miles Away / Philippe Grancher


フランスのミュージシャンのアルバム。その後ブルーズ・ギタリストになっているようですが、本アルバムは、ピアノやシンセを使ったキーボード・アルバムです。クラシカルなメロディーと昔のドイツ・プログレのようなブルーノートのフレーズが良い具合にバランスしてます。Vangelisっぽいところもありますが、十分なオリジナリティがある貴重なアルバムだと思います。フランス・プログレ的な香りも良い感じです。

2011年10月26日水曜日

Place To Be / 上原ひろみ


昨年、Stanley Clarkeバンドでのグラミー賞受賞で一気に知名度が上がった上原ひろみさんのソロアルバム。ソロ・ピアノ・アルバムであります。強力なタッチと圧倒的な音数で眩暈のするような曲の印象が強いですが、スローな曲も良い感じです。現代音楽的なメロディがかなりカッコ良かったりします。ラストの矢野顕子さんとのコラボも収録されています。矢野さんとのコラボでは「はじめてのやのあきこ」に収録されている「そのこアイロンに告ぐ」も強力です。

Hiromi

その「そのこアイロンに告ぐ」のビデオです。

2011年10月23日日曜日

Tribute To Charlie / Barbara Dennerlein


ドイツ人の女性ハモンド・オルガン奏者のCharlie Parkerのトリビュート・アルバム。超絶ペダル演奏をはじめとして高い演奏技術に定評のある人ですが、このアルバムは歌心もあって良いアルバムです。ビッグバンド、セプテットなどのゴージャスなバンドをバックに勢いのある演奏が楽しめます。ParkerやMingusの作品に混じって収録されているオリジナルも良い感じです。”Birds & Diz”を真似たアートワークの最高です。

Barbara Dennerlein


本アルバムM1のオリジナル曲の映像、アルバムではビッグ・バンド編成ですが、こちらのビデオはカルテット編成。アルバム中にはカルテットの曲もありので、それと同じセットかもしれません。ギターも良い演奏です。

2011年10月19日水曜日

Bird & Dizz / Charlie Parker

8曲入りなので元々はSP盤だったのだと思いますが、ヴァーヴ・レーベルのParkerとGillespie双頭クィンテットのアルバム。帯に「火の出るような」とありますが、どちらかと言うと余裕のある演奏が楽しいです。なんと言ってもThelonious Monkのウィットに富んだ演奏が効いています。Gillespieのミュートも良い感じでそれにレスポンドしています。Buddy Richのシンバル、Monkのピアノと始まる曲の展開は最高です。SP時代のアートワークには秀逸なものが多いですが、特にこのアルバムのアートワークは最高です。
Charlie Parker

2011年10月14日金曜日

Recital na Boite Barroco / Maria Bethânia

本作は1968年にOdeonからリリースされたMaria Bethâniaのライブ盤。演奏者は不明ですが、ジャズ・ボッサ風のバックバンドも、サイケデリックっぽい展開などもあって斬新です。選曲は、Pixinguinhaの"Carinhoso"、Jobimの"Se todos fossem iguais a você"などの得意の憑依型の歌唱がハマリそうな曲から、そうでもないNoel Rosaの”Último desejo”やCaetanoの"Baby"まで、やはり憑依した感じで、かなりBethânia的であります。
Maria Bethânia

このアルバムよりも更にジャズ・ボッサなバンドでの映像。この2曲は、かなり得意のレパートリーだったのだと思われます。

CaetanoのBaby。私的にこの曲はGalのバージョンが定番な感じですが、Bethâniaのバージョンも全く違った感じで良いものです。

2011年10月12日水曜日

A Flor E O Espinho / Guilherme De Brito & Trio Madeira Brasil


特にNelson Cavaquinhoとの共作で多くの名曲を遺したGuilhermeの2003年作、おそらく本作が遺作だと思います。20年程前にショーロ・クラブの笹子さん、秋岡さんたちをバックに日本公演のライブ盤がリリースされていましたが、本作ではショーロ・グループのTrio Madeira Brasilがバックアップしております。ショーロ風ではありますが、モダンな感じもある美しいアコースティック・サウンドに仕上がっています。Trio Madeira Brasilのバックアップも愛情が感じられて良い作品であります。Beth Carvalhoの参加した"Folhas secas"も良い感じです。アートワークもGuilherme自身の作品です。

Guilherme De Brito


最近Roque Ferreira集をリリースした、Roberta SáとTrio Madeira Brasilのコラボレーションによる演奏です。



Maria Bethâniaの映像。貫禄十分って感じです。



日本で演奏していた時期もあるNilzeと10弦バンドリンのHamilton de Holandaとのデュオ。Nilzeは変わらずカッコ良いです。

2011年10月10日月曜日

Roll 'Em / Shirley Scott


ハモンド・オルガンの女王Shirley Scottが、インパルス時代にビッグ・バンドと競演した企画版。最初に聴いた時にはオルガンの出番が少なくて物足りないと思ったように記憶していますが、聴きなおしてみるとゴージャスなサウンドで、オルガンも軽快にスィングしていて相当良いアルバムであります。ブルーノートなど他のレーベルでは、Eddie Lockjaw Davis、Stanley Turrentineとサックスとのコンボが多いですが、インパルス時代には、トリオ編成の良いアルバムをリリースしておりました。私的にはJobimの"Corcovado"のカバーが収録されている"On a clear day"もタイトルどおり朗らかな感じで良いアルバムです。

Shirley Scott


この音源もインパルス時代、"Great Scott!!"収録のボーカル入りのナンバー。これがかなり良いです。"For members only"との2 in 1でCD化されておりました。

2011年10月8日土曜日

A Dança da Solidão / Paulinho da Viola


Paulinhoの初期、1972年の5作目。タイトル曲の他、超有名曲の"Guardei minha viola"やPaulinhoらしいメロディ・ラインの"Ironia"などのオリジナルの他、Wilson BatistaやCartola、Monarco、Nelson Cavaquinho、Nelson Sargentoなどのカバー曲も秀逸です。Wilson Batistaの"Meu mundo é hoje (Eu sou assim)"はPaulinhoの作曲と言っても不思議で無いくらい定番のカバー、Paulinhoの自伝映画"Meu tempo é hoje"がこの曲のタイトルをもとにしている程です。Cartolaの"Acontece"もPaulinhoの柔らかなボーカルが素晴らしいです。

Paulinho da Viola


若い頃の映像ですが、渋いくて良い映像です。



Paulinhoのカバー集、しかも2枚組でデビューしたTeresa Cristinaの映像です。カバッコのメロ弾きの部分もカッコ良いです。



Velha guarda de Portelaの"Passado de glória"、本アルバムのラストにも収録されています。Velha guarda da Portelaのドキュメンタリー"Mistério do samba"では、Marisa Monteと歩きながら口さんでいるシーンもあります。

2011年10月7日金曜日

Get Rhythm / Ry Cooder


ギター職人、スライド職人、ルーツ&ワールド・ミュージック案内人Ryのアルバム。今までのキャリアの中で中間地点くらいの時期ではないでしょうか?Bobby King & Terry Evansと一緒に活動していた時期でもありますが、"Going back to Okinawa"という曲が収録されていますので、沖縄も少しかじっていた時代なのかもしれません。でも、ハワイ、マダガスカル、キューバ程は傾倒しなかったのかもしれません。ゴスペル、ブルーズ、沖縄、テックスメックス、カントリーとRyのアルバムの中でも最もカラフルなアルバムではないかと思います。私の最も好きな"Paradise and Lunch"的というか、"Paris Texas"感もあるカントリー・フレーバーのM8."Across the borderline"などもかなり良いです。

Ry Cooder


Bobby King & Terry Evansも登場するアルバム・タイトル曲のPVです。



"Going back to Okinawa"の日本でのライブです。


喜納昌吉さんってカッコ良いですね。ブリティッシュ・スカな感じもあったりします。

2011年10月5日水曜日

The Great Jazz Piano / Phineas Newborn Jr.


最近、東芝の999円シリーズでルーレット時代のアルバムがCD化されたPhineas Newbornですが、本作はその後、コンテンポラリー時代のアルバムの一枚です。名作として名高い"A world of piano!"の直後の録音で、Phineas Newbornの絶頂期の一枚と思います。"A world of piano!"に比べて比較的小粒な曲が多いですが抜群のスピード感がある演奏が詰め込められていてかなりの傑作だと思います。MonkチューンのM5、"Well, you needn't"の装飾やベースラインとのコンビネーションなども絶品です。

Phineas Newborn Jr.


DVD化されていたJazz Scene USAの画像と思われます。"A world of piano!"にも収録されているRollinsナンバーです。

2011年10月3日月曜日

With Symphony Orchestra / Bill Evans Trio


"Plays The Theme From The V.I,P.s"ほどではないですが、Bill Evansの迷作(誤変換ではありません)のひとつだと思います。トリオを主に、その他にもソロ、コンボなど種々の傑作を残しているEvansですが、本作のようなイージー・リスニング的なアルバムはあまり人気も評価も高くないように思います。本作はJobimの"Wave"や"Tide"と同じClaus Ogermanのオーケストレーションによる作品であります。Evans作品という先入観なしで、"Wave"や"Tide"を聴くように思えば中々良いアルバムではないかと思います。ゆとりがある時向きではありますが。

Bill Evans



Tamba TrioのLuis Eçaの名曲"Dolphin"のEvansによる名演というか、この曲の演奏と言えばこのEvansのものが良いと思います。良い感じにバランソが出ているのも流石です。収録アルバムの"From Left To Right"の多少ストリングスが入っていますが私的に好きなアルバムの一枚です。



John McLaughlinのバージョンも中々良いです。