2012年5月27日日曜日

Unicorn / Tyrannosaurus Rex


グラム・ロックに転向してから有名になったT.Rexですが、アコースティックだった時代もポップで良い作品を残しています。次作の"Prophets, seers & sages: the angels of ages"程、キャッチーな曲は多くありませんが、本作も中々捨てがたい佳曲が収録されております。

Tyrannosaurus Rex


2012年4月30日月曜日

Encore / Brian Auger & Julie Tippetts


Julie Tippettsとオルガン奏者のBrian Augerの1978年作。1960年代に活動をともにしていた二人がほぼ10年ぶりに再会したアルバムであります。Kieth Tippettsとの活動ではアバンギャルドなイメージが強いですが、本作は、かつてのロック、ブルーズ・フィーリングが開放されております。再会時のフィット感、リラックス感と、高揚感が特別な時間を記録した貴重な作品だと思います。

Julie Tippetts


アニマルズで有名な"Don't let me be misunderstood"のカバーも秀逸です。



Brian Auger & The Trinity時代のビデオも。良いです。

2012年4月25日水曜日

The Mod Years / Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity


ボーカリストJulie Driscollをフィーチャーした、オルガン奏者のBrian Augerのバンドのアルバム。Julieは、King Crimsonやジャズロック界で活躍するピアニストKeith Tippettと後に結婚しTippett姓での作品もありますが、Brian Augerのバンドでの歌唱も圧倒的な存在感があります。英国ならではの格調高さを感じるヴィンテージ・ロック・アルバムです。

The Brian Auger Trinity


Bob DylanとRick Dankoの共作、"This Wheel's On Fire"のカバー。本アルバムの収録曲です。メロトロン全開のドラッギーな傑作です。



2012年4月18日水曜日

The Joy Of Sing-Sing / Sing-Sing


Lushというギター・ポップ・バンドのEmma Andersonというギタリストが、Lisa O'Neillとうボーカリスト結成したユニットのアルバム。適度なエレクトリック・サウンドと、結構ポップでキュートな楽曲が並んでおります。中々センスの良いギターの重ね方の曲があったりもします。ボーカルもドリーミーで良いです。

Sing-Sing



2012年4月12日木曜日

Strawberry Switchblade / Strawberry Switchblade


Culture Clubなどが活躍した'80年代の英国ポップグループのアルバム。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのような完成度が高いテクノ・サウンドは望むべくはありませんが、適度にレトロなチープ感が良いのであります。その辺りはLioなどにも通じるところがあるように思います。Lioは意図的に作られた感じがしますが、こちらはそういう狙いではないような感じがします。"Since yesterday"、"Let her go"とか非常に良い曲があったりします。楽曲や衣装がポップなのにも関わらず何故か表情が怖いのが微妙であります。CDではボーナストラック満載でかなりお買い得な気がします。

Strawberry Switchblade



2012年4月10日火曜日

The Camera Loves Me / Would-Be-Goods


ギター・ポップの老舗elレーベルですが、最近ではJoão Gilbertoの初期アルバムをリリースするなどヴィンテージ・ブラジル音楽の復刻にも大きく貢献しております。そのelレーベルのエース、The Monochrome Setをバックにした女性ボーカルのユニットのアルバムです。ルックスとマッチした英国風のメロディ・ラインの脱力ボーカルが良い感じです。

Would Be Goods


2012年4月8日日曜日

Forever Until Victory / The Close Lobsters


スコットランド、グラスゴーのネオアコ・バンドのシングル・コレクション集。ある意味、この時代の音楽はドキュメンタリー的な感じがします。演奏者の若さや、街の若者の空気感などがリアルに封印されているように思います。キャッチーなメロディー、個性的なリフ、パンクの残り香漂うサウンドとが醸し出す若気の至り的雰囲気が最高です。

Close Lobsters


走り気味の演奏が良い感じです。



こう言ったポップな曲もありです。

2012年4月3日火曜日

Milo / Milo


神楽坂にある大洋レコードはフレンチ・ポップも扱っていて、試聴もできるので日本ではあまり知られていないフレンチ・ポップの掘り出し物を見つけられたりします。本作は男女2人組ユニットのアルバムの2005年作。ある意味レトロ感のあるネオアコ・サウンドが中心ですが、フレンチ・ポップならではのキュートな雰囲気が良い感じです。

Milo


本作M5の楽曲。フレンチらしいかなり良い曲です。

2012年4月1日日曜日

Ao Vivo No Circo Voador / Flávio Venturini & Toninho Horta


ミナスの大物同士のライブ・コラボレーション。ミナス系にライブ盤に良くある「これでもか」と言うくらい有名曲の連続です。それもバラード調の緩めの曲ばかりが「これでもか」と言うくらい満載されております。ある意味浮遊感と呼べなくも無いですが、やはりどちらかと言うと緩いって言う感じであす。"Ponta de Areia"と"Beijo Partido"のメドレーも緩くて最高です。締めの"Manoel, O Audaz"に向かって緩いですが盛り上がります。

Flávio Venturini


André Mehmariがピアノで加わった映像。本アルバムにも収録されているナンバーです。やはりToninhoのフレージングは違いますね。

2012年3月29日木曜日

Marching Grass on the Hill / Acoustic Asturias


Asturiasと言う日本のMike Oldfield的な多重録音ソロ・プロジェクトが、バンド編成で製作したアルバム。ソロ・プロジェクトの"樹霊"は変拍子など刺激的な仕掛けが多様されていて素晴らしい作品でした。このアコースティック編成は、アコースティック・ギターにクラリネット、バイオリン、ピアノを加えた編成で、どちらかと言うと映画音楽のようなヒーリング・ミュージック狙いのような感じであります。レーベルはAvexで、クラッシック・メドレーとかAvexっぽい感じです。

Acoustic Asturias






同じクラリネットとバイオリンがフロントのKo-Ko-Ya。ブラジル由来のリズムがベースで、今ではこちらの方が馴染み易いです。




2012年3月24日土曜日

See See The Sun / Kayak


オランダのプログレバンドのファースト、1973年のリリース。ドイツのTriumviratなどと同様、アルバム毎に徐々にポップ化していくのですが、本作は比較的プログレっぽい感じのアルバムです。コーラスやキーボード・ワークや、ベース・サウンドなどかなりYesの影響が強い様に思えます。客観的に言うとスケールを小さくしたYesというようにも言えますが、それが一種の愛嬌のように思えます。ボーカル・パートもインスト・パート共、どの曲もキャッチーがメロディーがあったりして十分レベルが高かったりもします。

Kayak


再結成後のライブのようです。'70プログレはこのところ他の国でも人気があるんですね。


2012年3月18日日曜日

Shooting At The Moon / Kevin Ayers


再びカンタベリー系からの一枚。同じSoft Machine出身のRobert Wyattと同様、キャッチーで穏やかな側面と、そうでもない側面との二面性が魅力に感じている人も多いのではないか思います。私の場合、どちらかというと脱力するために音楽を聴くことが多いので、幾分余裕のある時に聴くと良い感じだと思います。Soft Machine系で多用されるFender Rhodesのサウンドもポイントです。

Kevin Ayers


本アルバムM1の"May I?"。この手の決定的に魅力的な曲があったりします。

2012年3月17日土曜日

Pink Moon / Nick Drake


昔は守備範囲では無かったのですが、ピーター・バラカンの名盤240に紹介されていたファースト・アルバムを契機に聴いてみることにしたのでした。元来、音数の少ない音楽が好きなので、アコースティック・ギターと控えめなピアノだけのこのアルバムはかなりフィットするはずで、それ程暗い訳ではなく薄曇くらいの感じで、それなりに優しげな音楽なのですが、薄っすらとした切迫感がさらにアルバム全体の深みを与えていると思います。

Nick Drake


2012年3月12日月曜日

Moon Of Manakoora / Janet Seidel


オーストラリア人のジャズ・シンガー&ピアニストのアルバム。ウクレレをフィーチャーしたほのぼのムードのアルバム。ウクレレを使ったジャズやアコースティック・スウィングは特別に心惹かれるものがありますが、本アルバムは全面ウクレレと言うことでそれだけでも高得点なのでありますが、Janetさんの柔らい表現がフィットした良い感じのアルバムであります。ボッサ調の曲もかなり良い雰囲気です。このバンドのウクレレ奏者の演奏もハイレベルであります。ショーロの定番曲"Delicado"のカバーも聴き所であります。昨年でしたか、関内のファーラウトでライブがあったのですが残念ながら予定が合いませんでしたが、再来日の際には是非見に行きたいと思っております。同じオーストラリア人のシンガー&ベーシストのNicki Parrottと共に今後もフォローして行きたいと思います。

Janet Seidel




同じ弾き語りのBlossom Dearieのトリビュート・アルバムも大好きな作品であります。


2012年3月9日金曜日

Awkward Annie / Kate Rusby


イングランドのフォーク系SSWのアルバム。トラッドを基調にした素朴で美しい歌を歌う人であります。本アルバムは収録曲は、どの曲も暖かく優しい感じがします。ラストのThe Kinksの名曲"The Village Green Preservation Society"のカバーは、イングランド的な雰囲気を締めくくる最高の選曲です。

Kate Rusby


本アルバムの収録曲。美しく感動的な演奏です。前半のインタビューも良い雰囲気です。



本アルバムの収録曲ではありませんが、こちらも感傷的で美しい演奏です。フィドラーのお兄さんの髪型も良いです。

2012年3月3日土曜日

Lucero / Mariana Pereiro & Guille Capocci


他の国に比べるとデュオ形式の作品が圧倒的に多いように思えるアルゼンチンですが、本作もアルゼンチンの女性ヴォーカルと男性ギター(兼ヴォーカル)のデュオ・アルバム。同様のフォーマットでは、Aca Seca TrioのJuan QuinteroがLuna Montiと言う女性ヴォーカル組んだデュオの方がネーム・ヴァリューとしては上ですが、本作も作品のクォリティーでは負けていません。The Beatlesの"Black Bird"を大胆にアレンジした冒頭から一気に引き込んで聴かせます。



ラストは、Gilberto Gilのスペイン語カバー。Marcos Valleの有名曲に似たタイトルですがこちらの曲も良い曲です。

2012年3月2日金曜日

Fiabe / Gabriele Mirabassi & Stefano Battaglia


最近ブラジルで活躍の目覚しいピアニストAndre Mehmariと来日したイタリア人クラリネット奏者、Gabriele Mirabassiのアルバム。本拠とも言えるEGEAレーベルからの作品。ピアノなStefano Battagliaという人。耽美的なM1, M2から、徐々にテンポアップして白熱するM4至る展開など全体的な構成も素晴らしいです。

Gabriele Mirabassi


ショーロの定番、Pixinguinhaの"Um a zero(1x0)"の演奏。同様にブラジル音楽に造詣の深いStefano Bollaniとのデュオですが、非常に良い感じの演奏です。Mirabassiの腰振りのアクションもご愛嬌です。途中から出てくる女性のパーソナリティーの濃さがイタリアっぽい気がします。



こちらの女性ジャズ歌手も相当に濃いキャラです。イタリア恐るべし。

2012年2月29日水曜日

Moon / Kenny Wheeler & John Taylor


ECMなどで多くの作品を残すカナダ人トランペッターとイギリス人ピアニストによるアルバム。イタリアEGEAレーベルからリリースですが、冷え冷えとしたECM的な空気感が美しい作品です。Gabriele Mirabassiのクラリネットが入るタンゴも妙な感じも良いと思います。

Kenny Wheeler


2012年2月22日水曜日

7 Year Itch / Pip Pyle


Hatfield & the North, National Healthなどで活躍した、カンタベリー・トゥリーの伝説的ドラマーのソロ・アルバム。独特の浮遊感を持ったワンアンドオンリーな演奏が、 カンタベリー 系ジャズ・ロックの傑作群の色合いのひとつとなっていたように思います。また数々の印象深い楽曲も残しております。本作は1998年の作品で、HatfieldやSoft Machine人脈が集結した同窓会的なアルバムで、それ故に楽曲の先鋭さに反してどこか微妙なホノボノとした感じがします。Richard Sinclairが歌うM1, M2や、Dave Stewart & Barbara Gaskinの参加したM3などポップで非常に良い感じです。

Pip Pyle


そのStewart Gaskinのテイクは、The Beatlesの"Strawberry Fields Forever"です。後半のビートが効いたアレンジの部分とそれに至るタメのセンスは流石な感じです。

2012年2月19日日曜日

Crises / Mike Oldfield


プログレ・ファンだったころ、時代の終わりの象徴のように思っていたアルバムですが、歳を取って許容範囲が広くなったので余裕で受け入れられる様になりました。本アルバムは、Maggie Reillyの歌うヒット曲"Moonlight Shadow"が収録されております。今やスタンダードとも呼べるくらい世界中でカバーされている有名曲となっています。80年代的なシンセ音やドラムのエフェクトは好きなわけではありませんが、Mike Oldfieldのギタリストとしての側面が楽しめるところも良いのではないかと思います。

Mike Oldfield





2012年2月15日水曜日

New Age Of Earth / Manuel Göttsching


Ash Ra Tempelのギタリスト、Manuel Göttschingのソロ・プロジェクトAshraによる1976年の傑作アルバム。Ash Ra Tempel時代も振幅の大きな音楽性がありましたが、本作ではシーケンサー中心のエレクトリックな音楽に転換、成功の契機となっただけでなく、その後のエレクトリック・ミュージックに大きな影響を与えた作品でもあります。とは言え、その前作、私の大好きなアルバム"Starring Rosi"のアシッド・フォーク的な隠し味もこのアルバムのワン・アンド・オンリーな名作としている特質であるように思います。Virgin初期(と言っても当時既に単色グリーンのレーベルマークになっていたと思いますが)の右のジャケットの方が馴染み深いですが、最近、紙ジャケ化された際に採用された左のオリジナル・ジャケットも味があって良いと思います。

Manuel Göttsching


佳曲揃いのアルバム中、最もポップな超名曲です。

2012年2月13日月曜日

Whistling Jigs To The Moon / Flibbertigibbet


Mellow Candleのフロント、David WilliamsとAlison O'Donnellの2人が南アフリカに移住後に結成したフォーク・バンドのアルバム。Mellow Candleよりロック色というかサイケ色が後退して、フォーク/トラッド色が増した感じですが、2人の女性ボーカルがフィーチャーされた楽曲の良さと、正式なアルバムはこの1枚だけという幻的な感じは、Mellow Candleと同様です。アートワークに月のモチーフが使われているのも共通する儚さを醸し出している感じがします。Alison O'Donnellさんは、どの後もソロ・アルバムなど何枚かのアルバムをリリースしています。私的には、Fairport Conventionの初代ボーカリストでKing CrimsonのIan McDonald夫人のJudy Dybleさんなどと同様に何となくフォローしたい人であります。

Alison O'Donnell


2012年2月10日金曜日

Tales From Topographic Oceans / Yes


Yesの傑作"Fragile", "Close to the edge"に続く1973年の作品。大作志向が行き着く所まで行ってしまった感のある片面1曲づつの4曲収録という2枚組みアルバム。この年、3枚組みのライブ・アルバム"Yes songs"までリリースしています。このアルバムからドラムスがBill BrufordからAlan Whiteに変わっています。Rick Wakeman離脱前最後のアルバムです。Wakemanの演奏はいいまひとつ精彩が無いような感じがあります。テクノロジーの進化でお手軽なシンセが使われるようになって来ているのもサウンド的な奥深さが減り始める兆候が現れている時期なのかも知れません。とは言え全2作の傑作にはやや劣るもののそれなりに良く出来たアルバムだと思います。

Yes


最近TV CMで使われている"Heart Of The Sunrise"。アルバム"Fragile"収録曲です。この映像は2003年の再結成時のものです。Steve Howeのハリポタにでも出てきそうな老人っぽさが、魔法でも使いそうで良い感じです。

2012年2月8日水曜日

Abbiamo Tutti Un Blues Da Piangere / Perigeo


"感涙のブルース"という良く判らない感じの邦題ですが、イタリアのジャズ・ロック・バンドのアルバムです。以前はどこか気に入っていたような気がするのですが、今聴くと微妙な感じです。割とメロディックな時は悪くないのですが、最近忙しいので、必要以上に尺が長いのが我慢できないのかも。





2012年2月6日月曜日

Wally, Vally Gardens / Wally


Wallyは英国のフォーク・ロック・バンドであります。日本ではプログレ愛好家の守備範囲のアルバム2枚を残しております。昨年、SHMCDで紙ジャケ化されているので根強い人気のある作品であります。以前は、よりプログレ色というか大作志向の強いセカンドが良いと思い込んでいましたが、今回、聴きなおしてみるとファーストはフォーク調の美しい曲が多く、中々の名盤だと思います。Yesなどペダル・スティールを使う例はありますが、より多用していたり、独特のサウンド作りもどこか長閑で良い感じです。トラッドのイディオムを上手く消化した楽曲も秀逸です。プロデュース、アレンジにはRick Wakemanが参加しております。大分距離がありますが、StrawbsとYesの間にある音楽という感じもあります。

Wally