2011年6月27日月曜日

Chico Buarque (1978) / Chico Buarque


ブラジル屈指のメロディメーカー、Chicoのセルフタイトル・アルバムのうちの一枚。Chicoの凄いところは、癖が無く自在にメロディを紡ぎ出すところであります。本アルバムも名曲の一つに数えられる"Cálice"を収録した充実作であります。

Chico Buarque


その"Cálice"、アルバムと同じくMilton Nascimentoとのデュエット。曲はGilberto Gilとの共作です。



最初期のアルバムからChicoのアルバムの女性ボーカル曲には名曲が多いですが、下のビデオはZizi Possiとのデュエット、ドラマチックな曲です。



本アルバム収録で、現在も定番曲となっている"Homenagem Ao Malandro"。マランドロと言われるChicoですが、とにかく粋な人なのであります。

2011年6月26日日曜日

Encontro Marcado / Joyce


最近、その初期音源集にも本アルバムの収録曲を含む初期音源集がリリースされたJoyceのセカンド・アルバム。当時のソフト・ロック的サウンドですが、ミナス的な雰囲気も若干あったりしてそれなりに良い感じのアルバムであります。

Joyce



それから3作目の傑作、"Feminina"のビデオ・クリップ。爽やかで良い感じの映像です。

2011年6月23日木曜日

George Harrison / George Harrison


GeorgeのDark Hourseレーベル時代の最高傑作と言われる向きも多いアルバム。"慈愛の輝き"という邦題の表すように優しさに溢れた雰囲気のアルバムです。レココレの漫画、レコスケくんの中で著者が「無人島レコード」に選んでいるくらいの名作なのであります。それに対して、主人公のレコスケくんは遺作"Brainwashed"を選らんだのですが、それも中々良い選択に思います。

George Harrison


"Here comes the sum"のセルフ・アンサー・ソング(?)です。Georgeの曲は、この曲に限らず絡み合うようなギターのアンサンブルが素晴らしいのです。

2011年6月22日水曜日

Look To The Rainbow / Astrud Gilberto


Astrudの絶頂期、Verve時代の一枚。Astrudは私の最も好きな歌手の一人です。所謂イノセントな歌い方をする歌手は、例えばClaudine Longetなど、それなりにいる訳ですが、最もナチュラルでありかつ普遍的なのはAstrudにおいて他は無いと思います。本アルバムは巨匠Gil Evansのアレンジによる作品で最高傑作に挙げる向きもあると思います。Chicoの""Jobim色の強い"The Astrud Gilberto Album"、ジャズ・ファンには馴染み深い"The Shadow Of Your Smile"、Walter Wanderleyのオルガンが軽快な"A certain smile..."など、どのアルバムも傑作と言えるものです。私的には、息子とのデュエット曲"You didn't have to be so nice"が収録された"Beach Samba"が一番でしょうか。Associationのカバーがタイトル曲の"Windy"も、再び息子とのデュエット曲が収録されているし、Marcos Valleのカバーが相当良いので捨て難かったりします。

Astrud Gilberto



イタリア語でのJobim作品。リオの歩道の石畳模様を使った演出がお洒落です。

2011年6月21日火曜日

Sambolero / João Donato Trio


数々のピアノ・トリオ名作をリリースしているJoão Donatoの目下の最新作。この人、歳を取る程に元気になるような感じがあります。私が持っているトリオ作品の中では、"A Bossa Muito Moderna"などが相当良いのではないかとは思いますが、本作も相当良い感じであります。ラストに1曲だけ歌ものが入っていますが、Zeca Pagodinhoとのデュエットなのですが、相当のヨレ方がカッコ良すぎます。しかし、最近のZecaは、どんどんJoão Nogueira化してると言うか、酔っ払ったJoão Nogueiraみたいで最高です。なぜか、日本のAmazonにはこのアルバムが載っていませんでした。

João Donato


そのラストに収録されているZecaとのデュエット、"Sambou Sambou"です。

2011年6月19日日曜日

Keesojen Lehto / Pekka Pohjola


フィンランドのポップ/ロック・グループ、Wigwamのベーシストのソロアルバム。Wigwamのアルバムにはフィンランド製作時代の"Being"やVirginレーベル初期の"Nuclear Nightclub"など、独特の浮遊感のある良質なポップ・アルバムがあります。本作の他にもこの人のソロ・アルバムを持っていますが、いずれも高水準のプログレ作品であります。中でも本作は、Mike OldfieldとSally Oldfieldが参加していることもあって最も完成度の高い大作だと思います。

Pekka Pohjola


場所はヘルシンキの大通りにある野外ステージのようです。フィンランドでは夏場に無料ライブが開かれていて様々な音楽をのんびり楽しむことができます。羨ましい環境ですね。

2011年6月17日金曜日

Egberto Gismonti / Egberto Gismonti


日本ではECMの作品の知名度が高いGismontiですが、本作はボッサの名門Elencoからリリースされた彼のファースト・アルバム。Gismonti自身のボーカルも収録されていて、それなりのボサ・ノヴァっぽかったりもするのですが、曲自体はやはり毒があるというか相当の自己主張が現れています。オーケストラのアレンジもトランペット強めだったり独自の主張があって良いです。

Egberto Gismonti


最近よく来日していますが、ギターを弾くとアバンギャルド率が高くなる感じです。



それに比べるとヒアノの時は、美しさが光ります。



Gigmontiの娘さんが組んでいるピアノ・デュオGisbrancoの演奏で、Gismonti作品の演奏です。Gismontiのアルバム"Alma"に収録されている曲ですね。オリジナルはミニマルな感じの曲ですが、こちらの演奏はダイナミックで厚みがあって良い感じの演奏です。彼女たちのアルバムもかなり良い作品です。


GisBranco

2011年6月15日水曜日

Jobim Jazz / Mario Adnet


Mario Adnetによる一連のMoacir Santos関連作品と同様のビッグ・バンド・ジャズ・ボッサ作品。管にProveta、Eduardo Neves、Dirceu Leitte、Andrea Ernest Dias、Vittor Santos、弦にRicardo Silveira、Marcello Gonçalves、Romero Lubamboとこれ以上は無いような豪華メンバーによる一流のアルバム。有名曲を含まないJobim作品の選曲センスも最高です。クールな高級リゾート気分に浸れるアルバムです。ブラジリアン・ジャズの奥深さと底力を感じるアルバムでもあります。

Mario Adnet



アルバムとほぼ同じメンバーによる演奏。Jobimの超有名曲、Waveです。



ボーカルはアルバムにも参加しているJoyce。かなり若く見えます。

2011年6月13日月曜日

Cigarra / Simone


サンバ・ファンには"O amanhão"などのサンバ・エンヘード・カバーが馴染み深いSimoneですが、EMI時代はMilton Nascimentoのカバーなどのミナス系サウンドの名作を多く残しました。本アルバムはそのうちの一枚、Miltonの"Cigarra(蝉)"をタイトル・チューンとしたアルバムです。最近、発売されたSimoneのボックスも"O canto da cigarra(蝉の歌)"というタイトルでしたので、彼女の代名詞となっているようです。

Simone


"Cigarra"のPVです。ブラジルでは蝉は"Si, si, si..."と鳴くようです。



Milton Nascimentoとのデュエット、演出過剰な感じがたまりません。



贔屓にしているバンド、The Xangosのビデオ。前川ともこさんの歌は何か降臨している感じで素晴らしいです。尾花さんが固定カメラで撮っているのでエレキの中西さんが写っていませんが、



蝉の女ではなく、蛹化(ムシ)の女、戸川純さんのPV。天然系の歌が素晴らしい、さすがに良いもの持ってます。

2011年6月12日日曜日

From gardens where we feel secure / Virginia Astley


英国のSSWの1983年のアルバム。ピアノや木管楽器を初めとするアコースティック楽器と、鳥や動物の声、水の音、水車や鐘の音などで作られる極上のヒーリング・ミュージックであります。この手のミニマルな音楽やヒーリング・ミュージックにはどうしても意図的に作られた感じがしたりするものですが、このアルバムは自然に湧き出た音楽であるように感じます。イングランド南部の長閑で穏やかな空気が創り出した音楽と感じます。彼女の作品の中でも異色の作品であるばかりか、当時のDavid Bedfordなどの作品群と比較しても出色の作品であると思います。その後のボーカル作品も佳作ばかりですが、坂本教授のプロデュース作品以外は再発されておらず入手し難いのが残念です。もっと評価されても良い方だと思います。

Virginia Astley


本アルバムの前半のイメージ画像です。

2011年6月10日金曜日

U.F.O. / Ron Davies


アコースティック・ギターとフェンダー・ローズが素敵な名曲、"Long Hard Climb"収録のRon Daviesのセカンド・アルバム。Ron Daviesという人は、渋くて良い曲を作るし、歌声も渋くて良いのです。寡作で不遇の人という印象も味方したくなる要素であります。David Bowie, Dave Edmunds, Maria Muldaurなど多くのミュージシャンがRonの曲をカバーしていることから、多くのミュージシャンに愛されたミュージシャンズ・ミュージシャンでもあります。下のAmazonのリンクの他には"When does the time go"というアルバムもあります。そのアルバムの後、惜しくも亡くなられたようです。

Ron Davies


妹のGail Daviesとの演奏のクリップです。妹はカントリー業界ではかなり活躍されている方のようです。

2011年6月9日木曜日

It's Love / The Softies


米国、西海岸、女子2人組ネオアコ・グループ、1995年のセカンド・アルバム。Heavenlyをさらにマッタリさせたような感じも、メロディの浮遊感も最高です。

The Softies


サードアルバム、"Winter Pageant"収録の楽曲。良い意味でモッサリしたルックスがキュートなんです。



片割れのRoseさんのソロ・パフォーマンス。ダイエットしたようですが、変わらずキュートです。



The Beatles(Paul McCartney)の定番カバー曲です。これも良い。Portola - Rose Melberg
最近では、原田知世さんのバージョンもありましたね。music & me - 原田知世



ブルーグラスの女王Alisonのカバー。この曲のカバーの決定版ですよね。Robert Plantとのデュオ以来バンドを休止していたようですが、最近、復活したようです。Robert Plantとのデュオも良かったですが、Now That I've Found You: A Collection - Alison Krauss

2011年6月8日水曜日

島うた / 知名定男


知名定男さんは、沖縄民謡の男性歌手の中で最も好きな歌者であります。歌い口に独特の軽さがあるのがその理由です。それから知名さんの数々のプロデュース作品にも共通するアレンジの美しさにもその理由があります。本アルバムも例にもれず美しいアルバムであります。さらに、枯れた味わいが加わり滋味に溢れた作品となっております。

知名定男


海の音をバックに始まるお洒落で涼味満点のクリップです。

2011年6月6日月曜日

Samba Blim / Tamba 4


端正なLuis Eçaのピアノと、ヒューマンなBebetoのボーカル&フルートが創り出す絶妙なコンビネーションが魅力的なTamba Trioが米国進出を機に4人編成で製作したアルバムのうちの一枚。名曲"Dolphin"を含む1枚目の"We and the see"の方が一般的には有名のような気がしますが、なぜか日本のユニヴァーサルでは2枚名の本作だけが紙ジャケ化されています。確かにアルバムの充実度としては本作の方が上のようにも思います。コーラス入りで、若干売れ筋狙いの感のTamba Trioとしての作品よりも、インスト・パートが充実した本格ジャズ・ボッサ・アルバムなのであります。

Tamba 4


Bill Evansがフェンダー・ローズを弾く傑作"From left to right"には、Luis Eçaの名曲"Dolphin"の演奏が2テイク収録されています。2テイクともこの曲の決定的な名演と言えます。Evansのピアノは意外にもブラジル的なバランソに上手く乗っかっています。さすがです。

2011年6月5日日曜日

Heavy Petting / Dr. Strangely Strange


60年代末から70年代はじめに活動したアイルランド出身のサイケ・フォーク・バンドのアルバム。私の大好きなThe Incredible String Bandと比べて生真面目なところが少し残念な感じのバンドではありますが、リコーダーのような笛など妖しげな雰囲気は十分です。本アルバムは若干ロック寄りのサウンドになってます。何故か日本では紙ジャケットでCD化されたりしていますし密かに支持されているバンドのようです。

Dr. Strangely Strange


YouTubeには最近のリユニオンらしい画像が多数ありましたが、あまりイケていないので静止画のクリップを貼りました。しかし、このバンドの女子メンバーの役割がいまいち不明なのですが、ルックス担当なのでしょうか?

2011年6月3日金曜日

The Ark / Chad & Jeremy


Peter and Gordonと並ぶ60年代英国フォーク・ポップ・デュオ、Chad and Jeremyのアルバム。初期のシンプルでポップ志向から転じて、大作トータル・アルバムに傾倒した時代の作品。この時期のアルバムはセールス的には全く不発に終わったようですが、この前作の"Of Cabbages And Kings"も含めて、今聴くと中々悪くない作品だと思います。The Beatlesの"Sgt. Peppers"、"Yellow Submarine"的、サイケっぽさも良い感じです。

Chad & Jeremy


彼らの代表曲のひとつの映像です。



リユニオンのようですが、最近も活動している様です。良い感じで歳をとってます。

2011年6月1日水曜日

From The Witchwood / Strawbs


英国フォーク・ロック・バンドのアルバム。基本的にDave Cousinsのワンマン・バンドですが、このアルバム当時、その後Yesのキーボード奏者として名を馳せることになるRick Wakemanが参加していました。その前のアルバム"Dragonfly"はシンプルで非常に美しいアルバムですが、Wakemanのキーボードが入ったことで変化に富んだアルバムになっています。

Strawbs


そのRick Wakemanが参加したライブ映像です。楽曲、演奏もそうですが、Cousinsの声、歌唱法が極めて英国的で良い感じであります。