2011年4月27日水曜日

Encontros e Despedidas / Milton Nascimento


Miltonの1985年作品。Miltonの傑作のひとつに挙げられる作品ですが、最高傑作と言って良い作品だと思います。Pat Metheny, Hubert Lawsといったアメリカのジャズ・ミュージシャンを加えた洗練されたアレンジもさることながら、とにかく良い曲が多数収録されているアルバムであります。特にタイトル曲の"Encontros e Despedidas"は、Miltonの楽曲の中でも屈指のセンチメントを持った曲であります。

Milton Nascimento


2002年のアルバム"Pietá"に関連したライブDVDの映像で、"Encontros e Despedidas"の演奏。女性ボーカルはミナスの歌手Marina Machadoです。



Maria Ritaによるバージョン。Miltonの曲を多く歌っていたElisのことを思うと感動的。まさに生き写しという感じです。

2011年4月24日日曜日

The Cape Verdean Blues / The Horace Silver Quintet Plus J.J. Johnson


Horace Silverはファンキー・ジャズと呼ばれるポップでキャッチーなジャズを沢山作曲したピアニストです。私的にはサックスのHank Mobleyと共にブルーノートの中で特に好きなアーティストの一人であります。1960年代には"Song for my father"という名曲を含む同名のアルバムをリリースしております。そのアルバムのジャケットに葉巻をくわえた写真に写っているのは実際に父親と言われています。本作はその2年後のアルバムですが、同様に父親に関連した題材にしたもので、父の出身地ポルトガル領カポ・ベルデをテーマにしています。このアルバム製作の前にブラジルを訪れたことも影響してかラテン・フレーヴァーも加わったファンキーな曲が収録されています。"Bonita"というタイトルの曲も収録されていますがJobim作では無く自作曲であります。前半はJoe Hendersonのサックスに、トランペットを加えたクインテット、後半(LPのB面は)J.J. Johnsonのトロンボーンを加えたセクステットの演奏です。

Horace Silver
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"Song for my father"の演奏。'88年とかなり新しい演奏です。

2011年4月23日土曜日

Between Two Kings / Bertha Hope Trio


有名ジャズピアニストElmo Hope夫人でもあるピアニストBerthaさんのピアノ・トリオ作品です。Berthaさんの人柄が現れているような、転がるようなどこか愛らしい感じのするトーンのリラックスした演奏が楽しめます。アートワークの緑のように春めいた感じのするアルバムでもあります。Elmo Hopeとのデュオが収録されているアルバム"Hope-Full"も同様に安らぎのある良いアルバムだと思います。

Bertha Hope


下のビデオのピアノはBerthaさん、歌っているのは娘のMonicaさんという方だそうです。

2011年4月18日月曜日

Miette / Johanna Juhola


旅行でフィンランドに行ったときにかもめ食堂の通りの坂を上がったところにあるCD店で購入したCDです。大量に視聴して購入したCDのうちの一枚です。北欧は巨大なクロマチック・アコーディオンを弾く人が沢山いますが、本アルバムはフィンランドのクロマチック・アコーディオン奏者のアルバムです。アートワークの森とヒップな服の取り合わせが現すように、フォークがバックグラウンドにあるのかもしれませんが、かなり先鋭的な音楽を作る人です。チューバとエレクロニクスが使われている曲とか楽器の組み合わせも斬新です。

Johanna Juhola


アルバムのタイトル曲ビデオ。ちょうどこのアルバムのアートワークの服装と同じ感じです。髪型もムーミンに出てくる魔女のクラリッサみたいなのがフィンランドって言う感じです。



Karen Tweedとのデュオなど、他にもアコーディオン奏者との競演が多いTimo Alakotilaとの映像もありました。

2011年4月17日日曜日

Forest / Haugaard & Høirup


デンマークのフォーク・デュオのライブアルバム。爽やか系のフィドルとおっさん系のギターという組み合わせの妙もありますが、北欧ならでは爽快さと素朴さとが上手くブレンドされた音楽です。Herald Haugaardのスリリングな超絶技巧も聴き所でありますが、スローな部分の情感も素晴らしいです。森林の清廉な空気を運んでくれます。

Haugaard & Høirup


Haugaard & Høirupのライブ演奏。二人だけでこれだけのダイナミズムが出せるのがさすがです。



Herald Haugaardの別ユニットの映像。右側が奥さんのHelene Blumさんのようです。映像には出てきませんが美声の歌手でもあります。後半にかけてが凄い高揚感です。

2011年4月16日土曜日

Halo De Luz / Alvarezabala Duo


アルゼンチンのギター奏者Cecilia Zabalaがクラリネット奏者とデュオで製作したアルバム。昨年のコンテンポラリー・フォルクローレ・ブーム(?)に乗って購入したアルバムのうちの一枚です。Cecilia Zabalaのソロ・アルバムは一枚だけ持っていてそちらもかなり良いアルバムですが、本作の方がクラリネット奏者の持ち味か若干マイルドになっている様に感じます。同じクラリネット奏者でもPuente CelesteのMarcelo Moguilevskyだともう少し尖った感じになるのではないでしょうか。同じギターとクラリネットのデュオのSinesi-Moguilevskyでは比較的マイルドQuique Sinesiと毒のあるMoguilevskyが上手くブレンドされているのと好対照です。一連のアルゼンチン作品同様、暖かい時期に聴くのに最適な涼味のある音楽でもあります。

Cecilia Zabala


Alvarezabala Duoのライブ映像。



Ceciliaのソロの映像。演奏もですが、美形の観客が写るところとか、会場のサロン的な雰囲気も良いです。



Moguilevskyとのデュオの映像もありました。ダークな感じですがこちらも悪くないです。

2011年4月15日金曜日

Antonio / Delia Fischer


昨年セカンド・アルバムをリリースしたブラジル人女性ピアニスト、ボーカリスト、コンポーザの約10年前のファースト・アルバム。Egberto GismontiのCarmoレーベルからのアルバム。ミナスのサックス奏者Nivardo Ornelasが参加しているので、ミナスにゆかりのある人なのかもしれません。M10の"Choro de pai"はWagner Tisoの有名ショーロ作品のアンサー曲でしょうか。前編、Gismontiに比肩する美しい楽曲が詰まっています。ジャケット裏には妊娠中のお腹の写真が、Antonioはその子供の名前らしいです。

Delia Fischer


本アルバムの1曲目のカバー。Gismontiの娘、Biancaのピアノ・デュオ、Gisbrancoによるものです。本アルバムではストリングスとヴォーナリゼーションを含むアレンジなので、それとは違った曲に聴こえます。Gisbrancoのアルバムにも収録されています。



セカンド・アルバム収録曲のビデオも掲載しておきます。

2011年4月14日木曜日

Corta Jaca / Corta Jaca


"Corta Jaca"はショーロ初期の女性作曲家Chiquinha Gonzagaの有名曲のひとつですがそれと同じグループ名。なので他にも同名のショーロ・グループがあるようです。本アルバムはブラジル、ミナス・ジェライス州のグループのアルバムです。7弦、カバッコ、パンデイロ、フルート、クラリネット/クラロン(バス・クラ)、ファゴットという編成、うち、パンデイロ、クラリネット、ファゴットが女子です。ファゴットが入っているっていうところが特徴です。ファゴットの音色がとても好きなのもあって、ショーロのアルバムの中で最も好きなアルバムです。ファゴットとクラリネットの組み合わせも絶妙、その音色のせいもあってホノボノ感があって非常に良い感じです。プロデュースはMauricio CarrilhoとQuarteto MaoganiのPaulo Aragão、Mauricioは演奏でも参加しています。フルートの替わりにオーボエが入ればさらにホノボノ感がアップする気もします。誰か実現していませんでしょうか?



Beto Guedesの父もクラリネット奏者だったらしいですが、ミナスにもショーロの伝統があるようです。このドキュメンタリー映像もミナスらしいセンチメントを感じる素晴らしい演奏を聴くことが出来ます。

2011年4月12日火曜日

Paulinho da Viola (1975) / Paulinho da Viola


Paulinhoの1975年の7作名。EMI時代の成熟期に入った感のあるアルバムで、極めてシンプルでかつ最高に美しいサウンドのサンバが展開されています。"É a vida continua"や"Argumento"など多くの有名曲も収録。フェンダー・ローズとCopinhaのフルートが入った"Chuva"など隠れた名曲も収録されています。全編に登場するCopinhaのフルートとクラリネットの演奏も素晴らしいです。

Paulinho da Viola


Clara Nunesとの競演。お互いの代表曲のメドレー。Claraのカメラ目線が強烈です。



Pierre Barouhの映画"Saravah"の映像。Mari Bethânia'と。周りの人も一緒に歌っているブラジルっぽい感じが良いです。



Paulinhoの自伝映画"Meu tempo é hoje"のMarisa Monteとの映像。前半のRafael Rabelloが出てくる部分は合成だと思いますが良い雰囲気が出ています。後半は"A dança da solidão"です。

2011年4月10日日曜日

花降る午後 / ぱぱぼっくす


私、トリビュート・アルバムが好きで結構沢山持っているのですが、Spitzのトリビュート・アルバム"一期一会 Sweets for my SPITZ"はとても好きなアルバムです。そのアルバムの中でも特に印象的な"空も飛べるはず"をカバーしているのがパパボックスです。女子ボーカル関西出身のスリーピースバンドです。女子ボーカルのちょっと切羽詰ったような歌と太目のギタリストのリッケンバッカーのサウンドが特徴です。Spitzなどに通じる日本的なせつなさ感が良いです。



YouTubeにあった画像ですが、ファーストアルバムの曲のものが多かったです。

2011年4月7日木曜日

Il Passo Del Gatto / Michele Di Toro Trio


イタリア人ピアニストをリーダーとするトリオ作品。繊細で淡い感じの楽曲が並ぶ佳作です。YouTubeの画像を見ると、もっと静謐な感じからラグタイム調からクラシック調、今風のアグレッシヴなものまで多彩な芸風を見ることが出来ますが、このアルバムの感じが一番良い感じと思います。アルバム・タイトル曲も以外にも短調の不思議な和声の美しい曲です。

Michele Di Toro

Fabrizio Bossoのワンホーン・カルテットのビデオ。Bossoがキレまくりで凄過ぎます。

2011年4月6日水曜日

Impressed 2 with Gilles Peterson / Various


引き続きGilles PetersonのUKジャズコンピの第二作。本作もお宝満載ですが、特に気に入ったものAmancio D'Silvaというギタリスト。インド系の人らしいです。ロンドンなどインド系の人が多い土地柄からかインド・ジャズと言うジャンルがあるらしいです。エキセントリックなメロディーが良い感じです。



Joe Harriott人もインド・ジャズの人らしいです。ギターは前述のAmancio D'Silvaということです。ボーカルもヤバい感じです。

2011年4月5日火曜日

Impressed with Gilles Peterson / Various


アシッド・ジャズや現在のレア・グルーヴなどといったムーブメントの創始者と言える英国人DJ、Giles Petersonによる英国ジャズのコンピレーション。日本では紙ジャケ化されてしまっているFontanaレーベルのRonnie RossやTubby Hayesなどもありますが、2 in 1 CD化されている英国ジャズの至宝Don Rendell/Ian Carr Quintetが2曲収録されています。それ以外の曲も印象的。英国ジャズのどこかくすんだ色合いを感じるサウンドには妙に惹きつけられるものがあります。



2011年4月3日日曜日

Impulso! / Eumir Deodato


"Atache", "Impulso!", "Samba Nova Concepção" , "Os Catedráticos 73"など、この時期のDeodato作品はどれもハイ・レベルですが、この作品は、盟友Marcos Valleの"Samba de Verão"、Deodadoの代表作"Baiãozinho"、Donatoの"Muito Vontade"などのお約束の定番曲が収録されているのもあり最も親しみ易いアルバムだと思います。いつも通りの最高のグルーブ感があるブラス・アレンジと、キレまくるハモンド・プレイが炸裂しています。

Eumir Deodato

2011年4月2日土曜日

Nothin' But The Truth / Jessica Williams


あまり詳しくないのですが70枚以上のアルバムをリリースし、グラミーにも3度ノミネートされているている凄いピアニストで作曲家だそうです。家にある唯一のアルバムはトリオ編成のこのアルバムだけですが、知性的でスマートな感じの演奏を聴くことが出来ます。

Jessica Williams


本アルバムにも"Monk's Hat"という曲が収録されていますが、このビデオはThelonious Monk作品の演奏。Monkの形容の難しいポップなイメージとは異なるクールな感じ、これはこれで悪くないです。



Monkの演奏。サックスはCharlie Rouseという人。かなり良いです。この曲はColtraneのバージョンもありますが、このビデオのバージョンもスムースで良い感じです。