2010年9月29日水曜日

Opinião de Nara / Nara Leão


再び初期のNara、1964年のアルバム。Elencoレーベルの"Nara"に続くアルバムです。"Nara"にはZe Kettiの名曲"Diz que fui por aí"が収録されていますが、本作もZe Kettiの2曲で始まります。冒頭の"Opinião"は、政治的なメッセージのステージのタイトル曲としても著名です。Badenの"Birimbau"に加えて"Na roda de Capoeira"というビリンバウを使った曲が入っていて微妙にバイーアっぽい感じもしますが、洗練されたMPBアルバムであります。この頃のモノクロのジャケットって雰囲気があって良いものです。

Nara


Ze Ketti自身による"Diz que fui por aí"のビデオです。エレキがカッコ良いです。



同じセッションでのElton Medeirosとの共作曲"Mascarada"のビデオです。



"Diz que fui por aí"の弾き語りで始まるビデオです。2曲目にElton Medeirosが出てきます。3曲目はNaraには珍しい感じのGeraldo Pereira作品、ラストはChico Buarqueの名曲でこちらはNaraのレパートリーとしては有名でしょうか。Fernanda TakaiさんのNaraレパートリ集にも収録されていますね。

2010年9月27日月曜日

Prá Seu Governo / Beth Carvalho


BethのRCA移籍前、Tapecarレーベル時代の作品。Tapecarレーベル時代には、本作以外にも"Pandeiro e viola"、"Canto por um novo dia"といったサンバモードの佳作が残されています。本作はNelson Cavaquinhoの"Miragem"から、"1800 Collinas"、"Tesoura Cega"と名曲目白押しです。RCA時代の洗練されたサウンドに比べ、荒削りではありますがモーホのサンバの雰囲気が良く現れているのではないかと思います。Bethの歌も溌剌としつつもリラックスしていて最高です。

Beth

Beth、Dona Ivonne Lara、Martinho da Vila、Teresa Cristina、Monarco、Juliana Dinizといった面々のパゴージのビデオです。ラストは上記アルバム収録の"1800 Collinas"です。

2010年9月26日日曜日

João De Barro / João De Barro


最近のRCAの再発の中の一枚。Braguinhaという愛称でも知られる、カーニバルのマルシャを多くを遺した大作曲家の自演集です。ブラジルで最も有名な曲といわれる"Carinhoso"をPixingunhaと競作したことでも知られています。カンソン歌手としても中々の雰囲気を持っています。オーケストラも良い感じで特にオーボエが効いているのが良いです。

João





2010年9月23日木曜日

O Canto Livre de Nara / Nara Leão


Nara Leãoのアルバム。Elencoレーベルの"Nara"、Philipsの"Opinião"に続く1965年作です。ジャズ的要素が良い感じでブレンドされたMPBです。以前は何故かNara Leãoの音と言うと"Dez Anos Depois"などのヴィオランの弾き語りっぽい思い込みがあったのですが、元々はかなりジャズっぽいサウンドなのであります。このジャズっぽいサウンドがイマ風にも聴こえる高水準のサウンドです。Naraの歌も瑞々しく素晴らしいです。

Nara


アルバムに収録されているCarlos Lyraの"Minha Namorada"の演奏です。

2010年9月20日月曜日

Boomer's Story / Ry Cooder


Ry Cooderの初期、70年代のアルバム。このアルバムと次の"Paradise and Lunch"辺りがマイ・フェイヴァリットであります。ロード・ムービーっぽいというか"Paris Texas"な感じがして良いですね。アメリカの荒涼とした風景とか、人里離れたフリーウェイとか、寂れた町なんて感じがしたりします。Ryの弦楽器の演奏は言わずもがなですが、歌もレイドバックしていて良いものです。この辺りの録音だけ聴くとLowell Georgeに引けをとらない感じもします。

Ry


Gabby Pahinuiのアルバムでも、良い感じのマンドリンの演奏をしているRyですが、下の画像はマンドリンの弾き語りです。KalamazooかGibsonのヴィンテージですね。上のアルバムと同じ70年代の画像のようです。



代名詞とも言えるスライドです。上の画像と同じ時にとられた画像のようです。

2010年9月17日金曜日

Goes To The Movies / Diane Hubka


アメリカのロス・アンジェルスあたりで活動しているジャズ・シンガーのアルバムです。苗字からすると東欧系の人なのでしょうか?Bacharachの"Look of love"を始め映画曲集となっております。"Manhã de carnaval"は、ギターも弾いてます。柔らかく軽やかで良い歌を歌う人であります。ワンホーンのバックもまろやかで良い感じの演奏です。

Diane


ギター弾き語りスタイルも良いです。しかもJobimのDindiです。からりイケてます。


2010年9月16日木曜日

Mundo Melhor / Beth Carvalho


BethのRCA時代の最初のアルバムであり、Bethの絶頂期の始まりを告げる傑作です。それ以前のTapecar時代の作品にも素晴らしいものがありますが、どちらかというと素朴な感がありますが、RCAに移りRildo Horaがプロデュースするようになってからは、サウンドが洗練されサンバの基準と言えるようなものとなっております。Dinoのミュートぎみのリフからカバッコ、クイーカと徐々に楽器が重なって、Bethが笑いながら"Morrer o nosso amor morrer~"(死んでしまった、私たちの愛は死んでしまった)って歌い飛ばす盛り上がりから、目くるめくサンバの名曲の連続であります。Pixinguinhaのサンバのタイトル曲どおり"素晴らしき世界"なアルバムです。

Beth

YouTubeにこの頃の画像があったのでリンクします。



2010年9月14日火曜日

Pacifica / Sandii


この当時は一番Sandiiをフォローしていました。Jamaica風の"One Love"(Sunsets)、東南アジア風の"Pacifica"~"Mercy"~"Airmata"、そしてハワイアンの"Sandii's Hawaii"に至る頃までです。トロピカル趣味と、回顧趣味と、(当時の)先端の流行と、完璧ななりきりとが結集され、最高に充実していた時期ではないかと思います。それにしてもSandiiの歌唱力は素晴らしいでう。本作のコブシ回しも素晴らしいです。

Sandii

2010年9月13日月曜日

Cada cancion con su razon / Chabuca Granda


Carlos Aguirreも来日しますし、アルゼンチンの今時フォルクローレが注目される昨今ですが、アルゼンチンのMercedaz Sosa、チリのVioleta Parraらと並ぶ、南米をポピュラー音楽界の至宝、ペルーのクレオール音楽を代表する作曲家/インタープリターの作品。ボンバレコードから発売されているものです。最近、ディスクユニオン、新宿ラテンフロアのアルゼンチンコーナーにもディスプレイされていました。本アルバム収録の"Fino Estampa"は、Caetano Velosoのラテンカンシオン集のタイトル曲であります。センチメントたっぷりのメロディーとギターラやカホンなどのパーカッシブなリズムが作る目くるめく世界って感じです。Celia Cruzが歌っているのでキューバの曲かと思っていた"Toro Mata"、実はペルーの曲、も収録されています。まさに「粋な女」って言う感じのアルバムです。

Chabuca


2010年9月12日日曜日

Estamos Aí / Leny Andrade


本アルバムもジャズとボサノヴァが蜜月時代にあったときのものです。ジャズボッサ~サンバジャズといった感じのアレンジです。今聴いてもかなりカッコ良いアレンジであります。Lenyの歌もスウィンギーで見事です。タイトル曲は、ボサノバの黎明を歌ったものだそうです。ボサノバ歌手の西澤沙苗さんがレパートリーとしている曲でもあります。

Leny


Emílio Santiagoとのデュエット。ピアノにCesar Camargo Mariano、ヴィオランにRomero Lubambo (violão)、バースにNico Assumpçãoという豪華ラインアップです。Emílio Santiagoのサンバっぽい感じも良い感じです。

Samba, Eu Canto Assim


Elisの初期、5作目のアルバムだと思います。Elis節が確立した作品の様に思います。ジャズィーなビッグバンドをバックに快調に歌いまくります。傑作"In London"にも引けをとらない高水準のアルバムだと思います。

Elis


ピアノがCesar Camargo Mariano、ベースがLuizão Maiaのセッションの様です。会話するような歌とピアノの掛け合いが楽しいです。

2010年9月9日木曜日

You won't forget me / Jackie DeShannon


Linda Ronstadtのアルバムや"Betty Davis eyes"などの作者として知られるJackie DeShannonの初期作品のコンピレーションです。今年に入って個人的に再評価したJackie DeShannonであります。私、どちらかというと線の細い歌手が好きなのであまり好みでないと思っていましたが、後期の南部風の作風のアルバム"Jackie"などでハマリました。本作は初期作品から、Phil Spector風アレンジの名曲"When you walk in the room"あたりまでを収録しています。アメリカン・ポップの王道って感じがします。

Jackie


絵的にはこんな感じだったのですね。



アルバム"Restless Night"で"When you walk in the room"をカバーしているKarla Bonoffさんですが、自作曲にも少しJackieの影響を受けているような感じもします。Jackieの後継者とも言えるような存在なのかもしれません。そんな曲のビデオ、東京でのライブ映像のようです。非常にミュージシャン・シップを感じる人です。私にとってKarlaのファーストは宝物です。

2010年9月8日水曜日

To Sir With Love! / Lulu


1960年代の英国ポップシンガーLuluの60年代後半のコロンビア時代のコンピレーション(2CD)です。タイトルは主演した映画のタイトル曲で代表的なヒット曲です。元気な歌いっぷりに好感が持てます。ロックなアレンジの曲の方がハマっているような気がします。The Beatlesの"Day Tripper"のカバーも勢いがあった良い感じです。前のポストのHelen Merrillのアルバムもそうですが、バンドのアレンジと言い演奏と言い見事な職人技という感じがします。

Lulu


だいぶ年配になってからのビデオのようですが、かなり良い歌を歌っています。プロフェッショナルって感じがしますね。

2010年9月7日火曜日

Nippon Girls / Various


英国Aceレコードによる60年代の和製ガールポップスのコンピレーション。タイトルにBeat & Bossa Novaとありますが、ボサノヴァは森山良子さんの"雨上がりのサンバ"と微妙なもう一曲が収録されているだけです。ブックレットも収録曲の7インチジャケットが網羅されていて丁寧な製作です。収録曲もかなりハイセンスです。やはり山本リンダさんは外国の方にもポイントが高いのか2曲が収録されています。和製ガールポップスの至宝(秘宝?)小畑ミキさんも収録されています。黛ジュンさんのジャケットもカッコ良いです。




2010年9月5日日曜日

Sings Beatles / Helen Merrill


その昔CMでも使われていた"You'd Be So Nice To Come Home To"を含むアルバム"With Clifford Brown"が有名なHelen MerrillのThe Beatlesカバー集。Think!レーベルの昭和ジャズ復刻シリーズの作品です。ピアノの佐藤允彦さんのアレンジによるものです。最高にかっこいいポップアレンジに決められています。ブルージーな"The word"やプログレッシブな"Golden Slumbers"など選曲も若干ひねりがあって良い感じです。昭和ポップの音のイメージを構築したジャズメンのセンスに感心する作品でもあります。

Helen


日本でのライブ映像のようです。円熟した余裕のパフォーマンスです。

2010年9月3日金曜日

Sambas-enredo de todos os tempos / Mestre Marçal


2代目 Marçalによるエンヘード集。今年の浅草サンバカーニバルも終わったことですし。私が幽霊部員をしている(?)Liberdadeは残念ながら4位でした。とは言え審査結果を見ると例年通り4位までは僅差なので悲観することもなさそうです。まあ飛躍するには一旦沈まないとバネが出ないというのも理ですし。

ソロのエンヘード集と言うとMartinhoのものも有名ですが、本作もかなり良いアルバムであります。Portelaのジレトール・ダ・バテリアだったMarçalのですが、Serranoの曲が多め、60年代のものが多めでMartinhoのものより馴染みのある曲が多めです。Marçalの歌はまさに男気があるって感じで良いものです。バテリアや弦の音も最近のエンヘード集より余裕があって、カントーラもコロも良く歌わせています。Liberdadeへのエールということもあり、ラストはImperatrizの"Liberdade, Liberdade"で締められています。

Mestre


で、Liberdade 2010もリンクします。エンヘードも良いし、良くまとまってます。私が参加していた頃とは格段の出来です。昔のバテリア視線からですが、バテリアのステップみたいなのは不要のような気もします。カイシャとか演奏し難そうに見えます。



初代Marçalの超名曲、"Agora É Cinza"(今は灰...カーニバル後なので)を二代目が歌うビデオ、テンポを変えて2テイク収録されております。良いものです。2テイク目はかなり熱くなってますね。

2010年9月2日木曜日

That's Amore / Sofia Pettersson


スウェーデンの歌手の方です。少しロリータっぽいキュートな歌い方が良い感じです。Rickie Leeっぽい感じがあったりします。Sergio Mendesのカバーでも有名なThe Beatlesの"Fool on the hill"が収録されているようにボッサ風な感じのアレンジの演奏もかなり高水準です。

Sofia



で、アルバムのタイトル曲は、Dean Martinのヒット曲のカバーでした。

2010年9月1日水曜日

Clarice Magalhães / Clarice Magalhães


シンガー&パンデリスタのソロ・アルバム。アルバムにはフォルクローレっぽい曲なども収録されていたりしますが、基本的にサンバな人のようです。少し素朴な感じではありますが、伸びやかさがあって良い感じの歌を歌う人であります。myspace