2010年10月31日日曜日

Stone Angel / Stone Angel


Joan Bartleさんという線の細いクリアボイス系の女性ボーカルをフィーチャーした英トラッド・フォーク・バンドのアルバム。この手のボーカルとしてはかなり良い線に行っています。耳障りな部分もありませんが、全体のイメージが生真面目すぎるのが難と言えます。

Stone Angel

Icarus' Flight / Stewy Von Wattenwyl Trio


ドイツ人ピアニストの1993年のファーストアルバム。アートワークに惹かれたのもあり、レア盤の復刻という売り文句につられたもあり購入しました。ファンキーなM1、ツービートの詩的なM2、ジャズボッサ志向のM3とバラエティーに富んだ内容であります。ドラムスが若干力が入り過ぎのきらいもありますが、ファーストアルバムだけあって新鮮な感覚があるのも、ヨーロッパ的な風息があるのも良いと思います。

Stewy Von Wattenwyl

2010年10月26日火曜日

Eden / Everything But the Girl


Tracey ThornとBen Wattの二人によるユニットのファーストアルバム。この時期、英国のこの周辺の音楽は独特の輝きがあったように思います。英国フォークにボッサやジャズを絶妙にブレンドした新鮮な音楽が多数創造された時期であります。初期のEBTGのアルバムは一作毎に異なる音楽性をしかもどの作品も高水準に創り上げておりました。Traceyのアルトなボーカルは、ワン・アンド・オンリーでこのユニットの音を一層素晴らしいものにしています。Weekendなどと共に、この時代に私が聴いていた音楽を代表するアルバムです。

Everything


スウェーデンのジャズ・ボーカリストMalene Mortensenのアルバム"Date with a dream"に収録されているEBTGのカバーの良い感じです。このEBTGのファーストアルバムの1曲目"Each and every one"のカバーであります。デイト・ウィズ・ア・ドリーム

YouTubeにかなり初期と思われるビデオがありました。映画のような新鮮な感じなんとも言えません。

2010年10月23日土曜日

The Feather / Sergey Manoukyan Trio


ドラマーのSergey Manoukyanをリーダーとするロシアのジャズピアノトリオ作品。タイトル通り軽やかな演奏が楽しめる作品。ピアノのタッチの繊細さが特にスローな曲で冴えてます。Valeriy Grohovskyというクラシックも演奏する人です。女性っぽい名前ですが男性です。作品はきれいですがルックスには恵まれていないようです。そういう訳で今回ビデオのリンクはしないでおきます。続編もあるようですがそちらは未聴です。

2010年10月21日木曜日

Light as a feather / Chick Corea and Return to Forever


カモメのジャケットに続くCheck Coreaの"Return to forever"の第二作。前作同様、炸裂するChick Coreaのフェンダー・ローズ、クリアなFlora Purimのボーカル、ローズとのユニゾンが美しいJoe Ferrellのフルート、完璧なグルーブを造るStanley ClarkeとAirto Moreiraのリズム隊と完璧な布陣であります。前作に勝るとも劣らない高水準のアルバムです。

Chick


で、この作品のラストを飾る"Spain"のトリオでの演奏。Coreaのローズの演奏が堪能できるビデオです。


2010年10月20日水曜日

Navega / Jorge Fandermole


Carlos Aguirreと並ぶコンテンポラリー・フォルクローレを代表するソングライターのファースト・アルバム。Carlos AguirreのShagrada Medraレーベルからリリースされております。上昇感のある美メロが多数、Carlos Aguirreと比べると男性的な歌で聴かせます。M2、M5のボッサ調のバラードなど音楽性も幅広く、洗練された感覚と素朴さとが同居した独特な魅力があります。ピアノとアコーディオンはCarlos Aguirreが担当。



Carlos Aguirreとのデュオ。美しいです。次回は二人で来日したりしないでしょうか。


2010年10月18日月曜日

Avenido / Aca Seca Trio


最近コンテンポラリー・フォルクローレと呼ばれているジャンルを代表するグループ、Aca Seca Trioのセカンドアルバム。グループ以外のアルバムも製作されているギターのJuan QuinteroとピアノのAbdrés Beeuwsaertという2人のタレントを有するスーパーなグループです。メンバーのオリジナルの他に、Juan Fandamole, Carlos Aguirreの2大ソングライターの作品が2曲づつ、ウルグアイ音楽の至宝Hugo Fattorusoの作品も2曲収録されております。中でもPedro Aznarがボーカル&ベースで参加するCarlos Aguirreの"Pasarero"(先日のライブで造語だと説明していました)は印象的なトラックです。そのためがアルバム全体がPat Methenyグループ的な感触もあります。

Aca


で、そのPedro Aznarが参加したCarlos Aguirre作曲の"Pasarero"です。



さらに、同じく上述のアルバムに収録されているCarlos Aguirre作曲の"La musica e la palabra"、Carlos Aguirreのアルバムではセカンド"Rojo"の一曲目に収録されている曲です。



さらに、Aca Seca TrioをバックにCarlos Aguirreが歌うバージョンも。

2010年10月17日日曜日

Rojo / Carlos Aguirre Grupo


昨日はCarlos Aguirreさんのライブに行ってまいりました。ソロピアノ、ピアノ弾き語り、ギター弾き語りによる充実のライプでした。Carlos Aguirre Grupoに収録されている作品もソロでの演奏によると違った美しさがありました。Aguirreさんは、Michael Jacksonのように優しく話す非常に誠実そうな方でした。ジョークなしの故郷や愛にについての真面目なMCでありました。なんと3回もアンコールに応えてくれるというサービスぶりでした。アンコール一回目はバンドネオンの北村聡さん、ボーカルの松田美緒さんとの演奏でした。松田美緒さんのコーラスでのピアノ版"Los tres deseos de siempre"は素晴らしかったです。サイン会も行われ"Crema"を購入してサインした頂きました。サイン会も一人ひとり丁寧に時間をかけていましたので終わるまでにかなり時間が掛かってしまうのではと心配する程でした。



本作、通称"Rojo"はGurupoのセカンドアルバムで、ファーストの"Crema"同様に完成度の高いアルバムです。ライブでギターの弾き語りで演奏されたM1(Aca Seca Trioのセカンドにも収録している)を始め穏やかで美しい楽曲が揃っております。"Crema"に比べてギターの比率が高めですが、繊細なアンサンブルは同様に素晴らしいものです。下のビデオは、アルバムに収録されているウルグアイフォルクローレの定番曲"Zamba pro vos"の演奏、ワークショップの会場のような感じです。



また、Los ChalchalerosとMercedes Sosaによる演奏もリンクします。歌詞を見ながら歌っているのにも関わらずMercedes Sosaの歌は感動的です。数年前に予定されていた来日公演がキャンセルたのは残念でした。

2010年10月16日土曜日

Crema / Carlos Aguirre Grupo


本日はスパイラルホールでソロライブであります。私にとって最近では最も期待度の高いライブであります。当日券も若干あるようです。

本作は、自身のグループによるファーストアルバム。彼の地エントレ・リオスの水をたたえた風景を想起する涼味爽やかで静謐な音楽です。今年の夏は清涼剤として非常にお世話になりました。複数のギター系の織り成す複雑なサウンドや、呟くようなピアノ、柔らかな女性コーラスやAguirre自身のボーカルなどガラス細工のような繊細で美しい極上の音楽であります。数曲あるピアノソロも禅的であり優しく美しです。楽曲も起伏と抑制が見事にバランスされた美メロの連続です。Aca Seca TrioやDuo Ascaino - Mentaなどにもカバーされている名曲も多数です。アルバムのアートワークの窓から覗く水彩Aguirreの友人が一枚毎に手書きしたものだそうです。そういった手作り感が大切にされていることも魅力を引き立てます。

Carlos


2010年10月14日木曜日

Aoífe / Aoífe Ní Fhearraigh


Enjaと同じドニゴール県出身のシンガーのセカンド・アルバム。上は日本盤のアートワーク。この頃のビクターからリリースされていたアルバムは他にも日本版のアートワークのものがありますが、中々良いと思います。Maighréad Ní Dhomhnaillの"No Dowry(持参金なし)"なども良いと思います。かつてMIDIがブラジルのElencoのアートワークを変えていたのは今ひとつ納得できないものもありましたが。

で、このアルバムは、Enjaの姉、ClannadのMáire Brennanのプロデュース作品。ループの魔術師Máireの手によるものにしてはアコースティックでナチュラルな作品に仕上がってます。Aoífeの歌は美しいクリアボイスで、トラッドの歌唱法をベースにしていながら、ナチュラルで非常に良いです。

Aoife


2010年10月12日火曜日

Uragano Elis / Barbara Casini


イタリア人ボーカリストによるElis Reginaレパートリー集。Elisになり切り度が半端なく、"Elis meets Italian Jazz"っていう感じです。イタリア・ジャズのボッサとの親和性の高さが遺憾なく発揮されつつ、イタリア・ジャズならではの3管コンボが重厚かつまろやかな独特の味わいなのであります。勢いのある曲中心の選曲も良いです。Barbara Casiniさんのアルバムでは、他に"Todo o amor"というジャズ・ボッサの傑作があります。そちらのアルバムでもかなりElisっぽいです。常時Elisが入っている人みたいです。

Barbara



2010年10月10日日曜日

Libre De Consenso / Nora Sarmoria


昨今注目を集めるアルゼンチン・ジャズ・フォルクローレのジャンルで長く活動するNora Sarmoriaの2002年の作品。Lilián Sabaとの印象的なデュオ作品に続く作品です。Ginasteraからの伝統を受け継ぐかのようなスケールの大きなピアノと、自由奔放なヴォーカリゼーションと、曲ごとに替わるカラフルなアレンジが鮮烈です。

2010年作のアルバム収録曲のビデオです。音響派的なエレクトリックな効果も良い感じです。


2010年10月8日金曜日

A Gasser / Annie Ross


Lambert, Hendricks & RossのAnnie Rossの、"Sings a song with Mulligan"に続く1959年のアルバム。Zoot Sims(ts)とRuss Freeman(p)のバックアップしています。ウェストコースト繋がりなのでしょうが、Gerry Mulliganとか渋いところを突いてきます。スウィング感抜群のジャズボーカルが堪能できます。

Annie

2010年10月7日木曜日

Moving / The Raincoats


最近、Dolly Mixtureが再発されるなど密かにポスト・パンクが復活していますが、本作はRough Tradeの伝説、The Raincoatsのサード・アルバムです。セカンドまでのパンクをベースにしたガレージ風の作風から、フォーキーなサウンドにエスニック風味を取り入れた作風になっています。英国らしい線の細いヨレ気味のヴォーカルとフィドルが何とも不思議な効果を醸し出しています。私的には最高傑作であり、他に類の無いワン・アンド・オンリーの作品だと思います。The Raincoatsのアルバムも、最近、紙ジャケット化されたりもしているようです。

The


さらに、来日までしていたようです。日本のレインコーツとも呼ばれた少年ナイフとのライブもあったようです。見たかった。




ファースト収録のThe Kinksの"Lola"カバーです。やっぱりギターはRickenbackerっすね。

2010年10月6日水曜日

ゴールデン・ハーフでーす / ゴールデン・ハーフ


昔懐かしい8時だよ全員集合に出演していたのが記憶に残るハーフ女子のグループのアルバムです。ノーテンキな雰囲気と演技過剰のお色気演出が和めます。Connie Francisのカバーのイケてます。名曲"チョット・マッテ・クダサイ"を収録。昔のJ-POPってバンドの職人技を聴くのも楽しいです。

ゴールデン・ハーフ


2010年10月4日月曜日

Mono Stereo / Tater Totz


Redd Krossというガレージバンドのメンバーを中心としたプロジェクトらしいです。少年ナイフもメンバーに含まれているらしいです。はっきり覚えていませんが、そのために購入したように思います。で、少年ナイフによるビートルズの"Rain"のカバーが収録されています。その他、コピーっぽい"Strawberry fields forever"、少しイラっとする"Tomorrow never knows"などが収録されています。以前タワレコを散歩していたところ中々秀逸なパロディジャケットを見つけましたが、住所不定無職というバンド名で怖くて買えませんでした。

ベイビー!キミのビートルズはボク!!!


2010年10月3日日曜日

Help! / The Beatles


ビートルズのどのアルバムが好きかというのは良くある話題ですが、"A Hard Day's Night"と"Help!"はシンプルなギター・ポップで普遍的な良さがあるように思います。本作では、Johnの"You've go to hide your love away"とRaulの"I've just seen a face"というフォーク調の名曲のポイントも高いです。後者はFrances Black & Kieran Gossのカバーも良いです。Fallin'



ところで、モノ・ボックスって限定版じゃなかったんでしたっけ?私、John Lennon派ですが、今回はPaulのものを載せてみました。


2010年10月2日土曜日

Look! It's The Moonglows / The Moonglows


1950年代のドゥーワップ・グループのアルバム。本アルバムは山下達郎さんが一人ドゥーワップ・アルバム"On the street corner"でカバーしている"Blue velvet"が収録されております。本アルバムのアレンジはフルートがフィーチャーされたジャズィーで粋なものであります。黒人独特の肉感的な歌は良いものであります。

The


MCも含めてカッコ良いです。MCも個性があって良いです。