2012年1月29日日曜日

Swaddling Songs / Mellow Candle


1972年のアイルランド出身のフォーク・ロック・バンドのアルバム。メロトロンに女性ボーカル(しかも二人)という、その筋のプログレ愛好家にとっては無敵のアルバムであります。"Tudor Lodge"と共に日本のプログレ・ファンには根強い人気があるようです。メンバーが若い時に作られたアルバムで、その時代のトラッド回帰とアイルランドやイングランドの田舎の風土が感じられる雰囲気のある音楽です。




2012年1月27日金曜日

Arrullos / Francesca Ancarola


チリの女性シンガーFrancesca Ancarolaの子守唄集。Carlos AguirreのShagrada Medraレーベルからのリリース。Aguirreのピアノだけをバックにしたシンプルで美しいアルバム。Francescaさんの歌は、フォルクローレっぽさも感じますが、包容力のある優しさを感じます。一昨年の夏には良く聴きました。眠りにつくのに最適な音楽です。

Francesca Ancarola


ギター・デュオをバックにした演奏。フォルクローレのバックグラウンドも感じますが、適度な力感と軽やかさが絶妙にバランスで素晴らしい歌唱です。

2012年1月25日水曜日

Urban Lullabies / Caroline Loftus


英国で活動するオーストラリア人ジャズ・シンガーのアルバム。ほぼオリジナルの楽曲で、ジャズのイディオムにとらわれないポップな、またはフォーキーなアルバムです。Carolineさんの歌も、シンプルで素直な歌唱で好感が持てます。敢えて言うならJoni Mitchellをより癖を無くした感じでしょうか。ヴィブラートの使い方なども軽くてコンテンポラリーな感じがします。ドラムレスのピアノ、ベースだけのバンドもセンスが良いです。タイトルどおり、洗練されていながらも優しい音楽であります。

Caroline Loftus

2012年1月23日月曜日

Quarter moon in a ten cent town / Emmylou Harris


"Elite Hotel"に収録されている"Together again"のような有名曲はありませんが、味わい深いアルバムであります。特にM3"To daddy"など、バラード調の澄み渡るような絶品の歌が堪能できる好盤です。

Emmylou Harris


2012年1月21日土曜日

Luna Nueva / Rosana


スペインのSSWの10年以上前のアルバム。スペインではビッグ・ネームらしいです。ラテン的なアレンジもありますが、根本にボレロが流れているような感じがします。汎イベロ的な感覚で自然なメロディー、音楽であります。M6のようなアメリカンなタッチも良い感じだった利します。

Rosana


2012年1月13日金曜日

It Could Happen To You / Chet Baker


私、かなりChet Bakerファンなのでありますが、特に歳を取った後の枯れた感じが特に好きなのであります。特にイタリアなどのヨーロッパ録音は現地のミュージシャンのChetへのリスペクト感が相乗効果になって良いアルバムがあります。本作は、1958年録音で、定評のあるPacific Jazzレーベルの一連の作品の後、イースト・コーストに渡って録音した作品のうちのひとつ。最近購入した"In New York"が予想外に良かったので、さらに深追いして購入したものです。私的にはChetの歌はそれなり好きではありますが、どちらかと言うとトランペット多めの方が美味しく頂ける感じであります。本アルバムは全編歌ものでトランペットはほんの少しだけしか入っていません。悪くは無いのですが少し甘過ぎな感じであります。かなり多様されているスキャットはかなり微妙で、その部分がトランペットであれば良かったのにと思うのでありました。

Chet Baker






2012年1月12日木曜日

New Moon Rising / Karen Beth


イーストコーストのSSWのアルバム。Bearsvilleレーベルではありませんが、ベアズヴィル録音らしいです。名盤と言われているアルバムのようですが、実際に素晴らしいアルバムであります。Joni Mitchellの初期、"Ladies of the Canyon"頃のタッチに似た感じでしょうか。内容も歌唱もそれに引けをとらない水準であります。何と言っても曲が良いのであります。プロデューサはJohn Simonですが、カントリー・フレーバーでセンスの良いサウンドに仕上がっております。

Karen Beth

2012年1月9日月曜日

Ceis / Laoise Kelly


私の大好きなThe Bumblebeesのハーパー、Laoise Kellyさんのセカンド・ソロ・アルバム。ファースト・アルバムが1999年リリースですので、11年ぶりのソロ・アルバムと言うことになります。Bumblebeesの持っているキュートなイメージのエッセンスを持ている人の様に思います。ハープのアルバムと言うと起伏の少ない音楽が多いという感じの先入観がありますが、彼女のアルバムは特段にリズミカルで歯切れが良い曲が多く収録されています。楽器は異なりますがSharon Shannonを彷彿とする歯切れの良いトリプレットも耳に心地良いです。

Laoise Kelly


Michelle O'Brienというフィドラーとの演奏で、"The Wishing Well - Live at the Dock"というタイトルでCD化もされている音源です。フィドラーの方はアイリッシュでは珍しくストンプを使わないですし、別のエアーのクリップでは綺麗なヴィブラートを使って演奏しています。前編がクリアーで美しいアルバムです。Amazonのカタログには見つかりませんでしたが、Custysなどで入手可能です。


2012年1月7日土曜日

Rory Block / Rory Block


一般的には、Robert Johnson的なアコーステック・ブルーズをやるようになってから認知されるようになったRory Blockさんですが、幸運なことに、日本ではそれ以前の不遇だった時代の作品もCD化されております。Roryさんの実家はマンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジのサンダル屋で、無名時代のBob DylanやJoan Baez、John Sebastian、David Grisman、それにパートナーのStefan Grossmanなどのミュージシャンが集まってセッションを繰り広げていたそうです。本アルバムは、そんなアメリカのポップ・ミュジックの温床で育まれた良質なアメリカン・ポップ・アルバムなのであります。歌声も今のブルーズ的な唱法は創造も出来ない可憐な歌で素晴らしいです。

Rory Block

2012年1月5日木曜日

In Tokyo / João Gilberto



先日、渋谷のBar Musicさんにお邪魔する機会があり、写真右の「ジョアン・ジルベルト読本」を購入しました。幻の来日公演用のパンフレットとして作成されたもので大部分は裁断されてしまったものということです。そのこともあって、その後、"João Gilberto in Tokyo"を購入、この年末年始はこのCDを繰り返し聴いておりました。最近、Jobimの"Em Minas ao Vivo Piano e Voz"も良く聴いていて、最近では、この手のソロが沁みるようです。やはり、Joãoのそこまで早いかという感じの歌のフェイクとその後のお洒落なヴィランのバチーダの絶妙な織り合わせは何度聴いても飽きないものです。声とヴィオランだけというシンプルさとメロディとリズムの遊びの複雑さという組み合わせが同居しているのがその理由のように思います。ことにこのCDの録音は、声とヴィオランだけの名作、"João Gilberto(Águas de Março)"、"Voz e Violão"以上にナチュラルさが際立っているように感じます。私的に、新無人島アルバム候補になりました。

João Gilberto