2012年2月29日水曜日

Moon / Kenny Wheeler & John Taylor


ECMなどで多くの作品を残すカナダ人トランペッターとイギリス人ピアニストによるアルバム。イタリアEGEAレーベルからリリースですが、冷え冷えとしたECM的な空気感が美しい作品です。Gabriele Mirabassiのクラリネットが入るタンゴも妙な感じも良いと思います。

Kenny Wheeler


2012年2月22日水曜日

7 Year Itch / Pip Pyle


Hatfield & the North, National Healthなどで活躍した、カンタベリー・トゥリーの伝説的ドラマーのソロ・アルバム。独特の浮遊感を持ったワンアンドオンリーな演奏が、 カンタベリー 系ジャズ・ロックの傑作群の色合いのひとつとなっていたように思います。また数々の印象深い楽曲も残しております。本作は1998年の作品で、HatfieldやSoft Machine人脈が集結した同窓会的なアルバムで、それ故に楽曲の先鋭さに反してどこか微妙なホノボノとした感じがします。Richard Sinclairが歌うM1, M2や、Dave Stewart & Barbara Gaskinの参加したM3などポップで非常に良い感じです。

Pip Pyle


そのStewart Gaskinのテイクは、The Beatlesの"Strawberry Fields Forever"です。後半のビートが効いたアレンジの部分とそれに至るタメのセンスは流石な感じです。

2012年2月19日日曜日

Crises / Mike Oldfield


プログレ・ファンだったころ、時代の終わりの象徴のように思っていたアルバムですが、歳を取って許容範囲が広くなったので余裕で受け入れられる様になりました。本アルバムは、Maggie Reillyの歌うヒット曲"Moonlight Shadow"が収録されております。今やスタンダードとも呼べるくらい世界中でカバーされている有名曲となっています。80年代的なシンセ音やドラムのエフェクトは好きなわけではありませんが、Mike Oldfieldのギタリストとしての側面が楽しめるところも良いのではないかと思います。

Mike Oldfield





2012年2月15日水曜日

New Age Of Earth / Manuel Göttsching


Ash Ra Tempelのギタリスト、Manuel Göttschingのソロ・プロジェクトAshraによる1976年の傑作アルバム。Ash Ra Tempel時代も振幅の大きな音楽性がありましたが、本作ではシーケンサー中心のエレクトリックな音楽に転換、成功の契機となっただけでなく、その後のエレクトリック・ミュージックに大きな影響を与えた作品でもあります。とは言え、その前作、私の大好きなアルバム"Starring Rosi"のアシッド・フォーク的な隠し味もこのアルバムのワン・アンド・オンリーな名作としている特質であるように思います。Virgin初期(と言っても当時既に単色グリーンのレーベルマークになっていたと思いますが)の右のジャケットの方が馴染み深いですが、最近、紙ジャケ化された際に採用された左のオリジナル・ジャケットも味があって良いと思います。

Manuel Göttsching


佳曲揃いのアルバム中、最もポップな超名曲です。

2012年2月13日月曜日

Whistling Jigs To The Moon / Flibbertigibbet


Mellow Candleのフロント、David WilliamsとAlison O'Donnellの2人が南アフリカに移住後に結成したフォーク・バンドのアルバム。Mellow Candleよりロック色というかサイケ色が後退して、フォーク/トラッド色が増した感じですが、2人の女性ボーカルがフィーチャーされた楽曲の良さと、正式なアルバムはこの1枚だけという幻的な感じは、Mellow Candleと同様です。アートワークに月のモチーフが使われているのも共通する儚さを醸し出している感じがします。Alison O'Donnellさんは、どの後もソロ・アルバムなど何枚かのアルバムをリリースしています。私的には、Fairport Conventionの初代ボーカリストでKing CrimsonのIan McDonald夫人のJudy Dybleさんなどと同様に何となくフォローしたい人であります。

Alison O'Donnell


2012年2月10日金曜日

Tales From Topographic Oceans / Yes


Yesの傑作"Fragile", "Close to the edge"に続く1973年の作品。大作志向が行き着く所まで行ってしまった感のある片面1曲づつの4曲収録という2枚組みアルバム。この年、3枚組みのライブ・アルバム"Yes songs"までリリースしています。このアルバムからドラムスがBill BrufordからAlan Whiteに変わっています。Rick Wakeman離脱前最後のアルバムです。Wakemanの演奏はいいまひとつ精彩が無いような感じがあります。テクノロジーの進化でお手軽なシンセが使われるようになって来ているのもサウンド的な奥深さが減り始める兆候が現れている時期なのかも知れません。とは言え全2作の傑作にはやや劣るもののそれなりに良く出来たアルバムだと思います。

Yes


最近TV CMで使われている"Heart Of The Sunrise"。アルバム"Fragile"収録曲です。この映像は2003年の再結成時のものです。Steve Howeのハリポタにでも出てきそうな老人っぽさが、魔法でも使いそうで良い感じです。

2012年2月8日水曜日

Abbiamo Tutti Un Blues Da Piangere / Perigeo


"感涙のブルース"という良く判らない感じの邦題ですが、イタリアのジャズ・ロック・バンドのアルバムです。以前はどこか気に入っていたような気がするのですが、今聴くと微妙な感じです。割とメロディックな時は悪くないのですが、最近忙しいので、必要以上に尺が長いのが我慢できないのかも。





2012年2月6日月曜日

Wally, Vally Gardens / Wally


Wallyは英国のフォーク・ロック・バンドであります。日本ではプログレ愛好家の守備範囲のアルバム2枚を残しております。昨年、SHMCDで紙ジャケ化されているので根強い人気のある作品であります。以前は、よりプログレ色というか大作志向の強いセカンドが良いと思い込んでいましたが、今回、聴きなおしてみるとファーストはフォーク調の美しい曲が多く、中々の名盤だと思います。Yesなどペダル・スティールを使う例はありますが、より多用していたり、独特のサウンド作りもどこか長閑で良い感じです。トラッドのイディオムを上手く消化した楽曲も秀逸です。プロデュース、アレンジにはRick Wakemanが参加しております。大分距離がありますが、StrawbsとYesの間にある音楽という感じもあります。

Wally







2012年2月3日金曜日

アーリー・デイズ / 西田佐知子


関口宏氏夫人としてや菊正宗のCMで有名な西田佐知子さんのコンピ。"アーリー・デイズ"ということで初期作品集なのでしょうか。"コーヒー・ルンバ"から、"アカシアの雨がやむとき"まで昭和ラテン歌謡中心の充実のコンピであります。ラテン・フレーバーの"日曜日はいやよ"(Never on Sundayのカバー)、バイォン風の"スクスク"など秀逸な楽曲が満載です。"キッスは素晴らしいご挨拶"とか笑える歌詞も良いです。シングル・カバーを使ったアート・ワークでも好感度アップです。

西田佐知子


"アラブの偉いお坊さん"って何?って感じがしますが、元はベネスエラのフォルクローレのようです。日本では、西田佐知子さんバージョンがオリジナルって感じがします。荻野目洋子さん、井上陽水さんなど多くの人にカバーされています。



"冷たくなった私を見つけて...涙を流してくれるでしょうか"ってかなり重いって言うかブラックですね。今時、かなり引く感じがしますが...



演技力満点の歌唱が素晴らしいです。

2012年2月1日水曜日

Notte / Cico


1974年リリースのTony Ciccoというイタリア人SSWのソロ・プロジェクトのアルバムです。Formula 3のボーカリストであります。イタリア・カンタトゥーレならではのメロディックな歌唱と、当時のイタリアン・ロック特有のロマンチックな盛り上がり方が絶妙です。少し前に小泉今日子さんが本よみうり堂で紹介していた"ピエタ"を読んで以来プチ・イタリア・ブームが来ているのでさらに良く聴こえたりしております。PFMのように洗練されていない多少ザラついた感じも悪くないです。

Cico


本アルバムの収録曲の映像です。PVなのでしょうか、かなりのカッコつけ感が良いです。